水族展示室:水族トピック展示【2009年度】
平成21(2009)年12月15日(火)〜稚魚が泳ぎ出すまで(予定)
ビワマスの卵が孵化しました
琵琶湖博物館水族展示ふれあい体験室横トピック展示水槽で展示していたビワマ
スの卵が孵化しました。今回孵化した卵は、2009年11月6日に当館の保護増殖セ
ンターで人工授精させたものです。しばらくはおなかの卵黄?にある栄養で大き
くなります。徐々に魚らしい形になり、しっかりと泳ぎ始めます。その変化をお
楽しみください。
展示場所:琵琶湖博物館水族展示室・ふれあい体験室前のトピック展示水槽
観 覧 料:常設展示観覧料でご覧いただけます。
平成21(2009)年11月3日(火)〜11月29日(日)
産卵期を迎えたカネヒラ
ふれあい水槽横トピック展示水槽では、産卵期を迎え、青緑とピンクを基調 とした婚姻色(こんいんしょく)を身にまとった、カネヒラがご覧いただけます。
琵琶湖にすむタナゴ(ボテ)の多くが春に産卵期を迎えるのに対し、カネヒラだけは秋に産卵期を迎えます。
卵は二枚貝の中に産みつけられ、数日でふ化しますが、そのまま貝の中で冬を越し、春に貝の中から出てきます。
かつては、琵琶湖内で多数みられましたが、最近では生息数が減少し、滋賀県レッドデータブック2005年版では、
絶滅危機増大種とされています。
平成21(2009)年10月6日(火)〜11月1日(日)
オヤニラミの幼魚(スズキ科)
今回の水族トピック展示では、スズキ科では唯一、淡水域だけでその一生を送るオヤニラミの幼魚を紹介します。オヤニラミは、淀川・由良川以西の本州、四国北部、九州北部に分布します。大きな河川やその支流の、中流から下流にかけて生息しています。肉食性の魚で、小型の水棲昆虫などを食べ、全長は最大で13cmほどになります。本種のエラブタの後端には、やや縦長の眼のような斑紋があり、本物の眼とあわせて4つの眼があるように見えることから、ヨツメと呼ぶ地域もあります。産卵期は4〜8月で、オスは水中に没したヨシや倒木を産卵場所とし、その表面を掃除した後、メスを誘い、雌雄交互に産卵放精します。産卵後のオスは、卵の世話や、ふ化して間もない仔魚を守ります。近年、各地で生息数が減少し、環境省のレッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)では、絶滅危惧U類とされています。しかし一方では、本来の生息地以外の地域に無秩序に放流されものが、定着して生態系に悪影響をおよぼすことが危惧されています。滋賀県にも本来は生息していませんでしたが、県内数カ所で確認されるようになり、平成19年(2007年)施行の滋賀県条例「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」により、放流は禁止、飼育には届け出が必要な「指定外来種」に指定されています。今回展示する魚は、今年の5月に展示水槽内で繁殖したもののうち、全長が3cmほどに成長した8尾です。この機会に、オヤニラミの幼魚をご覧いただき、身の回りの自然について考えていただく機会にしていただければと思います。
平成21(2009)年9月11日(金)〜10月4日(日)
天然記念物「アユモドキ」の幼魚絶滅危惧TA類
琵琶湖博物館では、今年繁殖した希少淡水魚の稚魚を水族トピック展示として紹介します。今回は、現在では琵琶湖淀川水系と岡山県内の限られた河川にだけ生息する、ドジョウの仲間「アユモドキ」の幼魚を展示します。アユモドキは河川やそれにつながる水路などに生息し、日中は岩陰などに隠れていますが、曇天の昼間や夜間などに行動します。全長で15cmほどになります。産卵期は6 〜7月で、田植えのすんだ水田などに入り込んで産卵します。最近では、農地の改良工事がすすみ、水路から侵入することのできる田んぼが減少したため、生息数が著しく減少していると考えられています。現在、環境省のレッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)では絶滅危惧TA類、滋賀県のレッドリスト(滋賀県で大切にすべき野生生物)では絶滅危惧種とされています。
今回展示する魚は、今年の6月に人工授精により繁殖した69尾のうち、全長2〜3cmに成長した30尾です。 この機会に、天然記念物のアユモドキの幼魚をご覧いただき、身の回りの自然について考えていただく機会にしていただければ幸いです。
ページトップへ平成21(2009)年8月4日(火)〜9月6日(日)
「スジシマドジョウ小型種琵琶湖型」の幼魚絶滅危惧TB類
琵琶湖博物館では、今年繁殖した希少淡水魚を水族トピック展示として紹介します。今回は、スジシマドジョウ小型種琵琶湖型で、琵琶湖水系にだけに分布する琵琶湖固有の種類です。琵琶湖に流れ込む水路や小川に生息し、全長は6〜8cmです。産卵期は6 〜7月で、田植えのすんだ水田に入り込んで産卵します。最近では、農地の改良工事がすすみ、水路から進入することのできる田んぼが減少したため、生息数が著しく減少していると考えられ、現在ではほとんど確認することができません。現在、環境省のレッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)では絶滅危惧TB類、滋賀県のレッドリスト(滋賀県で大切にすべき野生生物)では絶滅危惧種とさ、絶滅が心配されています。
今回展示する魚は、今年の6月9日に人工授精により繁殖した約150尾のうちの全長1cmほどに成長した30尾です。
この機会に、湖国の恵まれた自然環境の中で育まれてきた琵琶湖水系固有のドジョウをご覧いただき、身の回りの自然について考えていただく機会にしていただければ幸いです。
平成21(2009)年7月14日(火)〜8月2日(日)
天然記念物「イタセンパラ」の稚魚
琵琶湖博物館では、今年繁殖した希少淡水魚の稚魚を水族トピック展示として紹介します。今回は、国の天然記念物であり、種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)の対象種である「イタセンパラ」の稚魚です。イタセンパラは琵琶湖淀川水系、濃尾平野と富山平野の一部の河川に生息する全長10cmほどのコイ科の魚です。滋賀県には明治時代まで生息していましたが、現在では絶滅したと考えられています。他の生息地においても、生息地の開発などによる生息環境の悪化や、オオクチバスなど魚食性の外来魚が侵入したことなどにより絶滅が危惧されています。琵琶湖博物館では2005年に現在の大阪府環境農林水産総合研究所水生生物センターより親魚を譲り受けて、毎年繁殖に取り組んでいます。昨年の秋に二枚貝に産み込まれた卵は、二枚貝の中でふ化・越冬し、今年5月頃から浮上を始めました。今年は約110尾の稚魚を得ています。今回展示するのは、その内の全長1〜3cmに成長した30尾です。
平成21(2009)年6月23日(火)〜7月12日(日)
イチモンジタナゴの稚魚
日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト(レッドリスト):絶滅危惧TA類
滋賀県の指定希少野生動植物種
琵琶湖博物館水族展示では、トピック展示として今年繁殖したイチモンジタナゴ
の稚魚を展示します。
イチモンジタナゴは琵琶湖淀川水系、福井県の三方湖、そして濃尾平野などに自然分布する、全長4〜6cmになるコイ科タナゴ亜科の魚です。滋賀県ではボテ、ボテジャコと呼ばれる魚の一種で、琵琶湖内や瀬田川などにみられました。しかし、最近では開発などにより、産卵母貝となる二枚貝が減少したことや、オオクチバスなど魚食性の外来魚が侵入したことなどにより生息数が減少しています。現在、滋賀県内で生息が確認されているところは数カ所しかなく、絶滅の危機にあります。そのため、滋賀県の指定希少野生動植物種に指定され、滋賀県内の天然水域からの捕獲が禁止されています。
琵琶湖博物館では2005年に京都市の平安神宮から親魚を譲り受け、繁殖に取り組んでいます。今年4月頃から産卵がはじまり、現在約250尾の稚魚を得ています。今回展示するのはその内の全長1〜3cmほどに成長した40尾です。
ページトップへ平成21(2009)年6月2日(火)〜6月21日(日)
ムサシトミヨの稚魚
日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト(レッドリスト):絶滅危惧TA類
ムサシトミヨは東京都西部と埼玉県下に分布するトゲウオ科の魚です。全長
3.5〜6cmほどになります。生息地の都市化により、現在では埼玉県熊谷市の一部
にしか生息していません。
琵琶湖博物館では、1995年と2005年にさいたま水族館よりムサシトミヨを譲り
受け、毎年繁殖しています。ムサシトミヨは1年で成熟、産卵、そして死んでし
まいます。今年は3月頃より産卵が始まり、6月現在約250尾の稚魚を得ています。
平成21(2009)年4月21日(火)〜5月10日(日)
イサザ(ハゼ科) 琵琶湖固有種
イサザは、琵琶湖の北湖に生息し、日中は水深30m以深にいますが、夜間には餌の動 物プランクトンを求めて表層付近にまで浮上するというユニークな生態をもっていま す。3〜4月が産卵期で、いっせいに湖岸に接岸し産卵します。
琵琶湖博物館では、常時展示しておりませんので、この機会にぜひご覧ください。
平成21(2009)年3月24日(火)〜4月12日(日)
日本最長のミミズ ”ハッタミミズ”
*滋賀県レッドデータブック(2005)要注目種/
環境省レッドリスト(2006)準絶滅危惧
トピック展示では、日本最長のミミズ ”ハッタミミズ”の幼体を展示します。
ハッタミミズは、体長50〜60cmほどで、伸ばせば1mにもなります。 1930年に石
川県金沢市八田で発見されたことにその名前の由来はあります。分布は石川県と
滋賀県だけという不思議な分布をしていますが、近縁種がインドやフィリピンな
ど熱帯地方に多いことから、過去に海外から持ち込まれた可能性を指摘する研究
者もいます。滋賀県では、高島市、余呉町、湖北町、米原市、彦根市の琵琶湖や
内湖周辺の水田などで確認されていますが、詳細な分布や生態は明らかではあり
ません。
*展示協力:滋賀県立大学環境科学部 谷口 恵 氏
