展示のご案内(水族展示室)

S3 川や池の生き物
このコーナーでは、私たちに身近な水辺である水路や河川、ため池などの生き物たちを紹介します。ひと昔まえの小川や池にたくさんいたドジョウやオイカワなどの小さな魚たち、あるいはクサガメやイシガメ、ゲンゴロウやタガメなどの身近な生き物を見ていただきます。また、河川を中流部と上流部の2つに分け、代表的な川の様相を再現し、それぞれに生活している魚たちを大型の展示水槽で紹介しています。
S3-1 里の生き物
平野部や山間の開けたところでは、かつて、田んぼに引く水や家庭で使う水のために水路やため池がつくられてきました。
オイカワやドジョウなどの小魚やゲンゴロウやタガメなどの生き物たちもこのような水辺に生活の場を広げ、人の暮らしとともに活きる身近で興味深い存在でした。
しかし、現在では私たちの暮らしの変化とともに、しだいにその姿を消しています。
S3-2 川の中流の生き物
山間の渓流部を流れ下った川は、平野部に入ると川幅をひろげ、蛇行しながら大きな流れとなります。 川の曲がるところでは大きくて深い淵がつくられ、その下手には浅くて流れの速い瀬が作られます。
川の中流部では、このような淵と瀬が交互にあらわれ、そこにはそれぞれの環境に適応したさまざまな生き物がすんでいます。 水深が深く、流れがゆったりとした淵にはウグイ・コイ・フナ類やカワムツ・ムギツク・ギギなどがすんでいます。 また淵の下手の砂底の場所にはカマツカやズナガニゴイ・シマドジョウなどがみられます。
流れの速い瀬は、表面が白く泡立つ早瀬と、流れが速くても底がみとおせる平瀬にわけられます。 早瀬にはアユやトウヨシノボリなどがすみ、平瀬にはオイカワなどがみられます。
【オイカワとカワムツ】どちらも流線型のスマートな形をしています。 カワムツは流れのゆるい淵や岸辺の木陰などを好んですみ、主に流れてくる昆虫を食べています。
いっぽう、オイカワは平瀬を中心に生活しており、水生昆虫から石についた藻類まで幅ひろく食べています。 オイカワとカワムツは分類上もたいへん近縁の魚ですが、このようにえさやすみ場所の競合を避けてくらしています。
【カマツカ】淵の下手や大きな石の裏側の砂がたまったところを好んですみ、砂をさかんに吸いこんではそのなかの水生昆虫などを食べ、砂だけをエラ穴からだすという器用なえさの食べかたをする魚です。
高い位置にある目、とがった鼻先、一対の口ひげと唇にあるえさを探りあてる小突起、下方向に突出する口先など、体の形態が砂のなかのえさを探しやすいように適応しています。
S3-3 川の上流の生き物
川の上流部は流れが急で滝や小さな淵が階段状に連なった渓流となっているところがおおく、いったん雨が降ると水かさが増し急流となります。 またえさとなる藻類やプランクトンもすくなく、魚にとってはきびしい環境です。 いっぽう、夏でも水温があまり高くならないため、冷水を好むイワナやアマゴなどサケ科の魚を中心に、タカハヤやカジカなどがすんでいます。
渓流部の下流よりにはアマゴやタカハヤがすみ、上流に行くにしたがってイワナだけが生息するようになるというすみわけがみられます。 イワナやアマゴは水生昆虫のほか、水面に落ちて流れてくる陸上の昆虫などもえさにしています。 そのため川岸にどのような木がはえているかが、魚の生息に大きな影響をおよぼしています。
【イワナ】日本の淡水魚中、もっとも標高の高いところにすむ魚で、滋賀県以東、以北の本州と中国、紀伊半島の一部に分布しています。
アマゴより体高が低く、胸びれと腹びれの前縁が白い特徴があります。 パーマークや白点、朱点のあるなしなど地域差が大きく、ヤマトイワナ、ニッコウイワナなどいくつかの型に分類されています。
悪食で陸上の昆虫からヘビまでも食べるといわれています。
【アマゴ】イワナ、ヤマメとともに日本の渓流魚を代表するサケ科の魚です。 体側には暗青緑色の小判型の模様(パーマーク)が並び鮮やかな朱点が散在するたいへん美しい魚で、渓流の女王ともよばれています。
分布のことなるヤマメとは朱点の有無で区別されます。 アマゴのなかにはサケのように海に下る個体もあり、これをサツキマスとよんでいます。
