展示

A展示室:琵琶湖のおいたち

A3 湖のおいたちをさぐる

「琵琶湖のおいたち展示室」の展示は、そのほとんどが他館ではみられないオリジナルな展示物で構成されています。 それは、「ゾウのいる森」の展示に代表されるように、地元の人たちや全国の研究者の人たちと研究してきた成果を展示にしているからです。この野外と室内の研究を紹介したのが「湖のおいたちをさぐる」のコーナーです。

このコーナーは、「フィールドでの調査」と「研究室の分析」のふたつの小コーナから構成されています。 展示として再現した約200万年前の森からは、その材料になった化石林やゾウの足跡化石など現在のフィールドのようすをみとおすことができます。さらにその奥に、フィールドで得られた成果を研究室においてどのような方法で分析しているのか、実際の学芸員の机を再現することによって、それぞれの研究を紹介しています。

A3-1 フィールドでの調査

地学系の学芸員一人一人の机をつくり、どのように研究をするのかをその周囲で紹介しました。 フロアトークなどが可能なように引出しの中の展示物は取り出せるようにしてあります。

【発掘につかう道具】 足跡化石の発掘調査専用の道具はなく、いろいろな道具を工夫してつかいます。 足跡化石の中の堆積物をとりのぞくためには、各種のスプーンが有効です。 最近では、発掘できない足跡化石の形を研究するために、医療用の断層撮影装置やX線などを使った調査法も試みられています。

【アケボノゾウ下顎骨化石(複製) 1993(平成5)年3月に多賀町の工事現場から全身のそろったアケボノゾウの化石が発掘されました。 この化石は、これまで発見されたどのアケボノゾウ化石よりもたくさんの部位がのこっており、 アケボノゾウのより正確な体型を復元することができました。 アケボノゾウは、約250万年~100万年前まで生息していた日本固有のゾウです。

【ゾウと偶蹄類の足跡化石(複製)】 1988(昭和63)年8月の大雨のあとに甲西町の野洲川の河床からゾウと偶蹄類の足跡化石が発見されました。 この足跡のついた地層は、約200万年前の古琵琶湖層です。 この足跡化石の調査方法や経験は、その後の足跡化石の発見や調査に生かされました。

A3-2 研究室での分析

地学系の学芸員一人一人の机をつくり、どのように研究をするのかをその周囲で紹介しました。 フロアトークなどが可能なように引出しの中の展示物は取り出せるようにしてあります。 →担当学芸員からのメッセージ

A3-2-1 地質の研究

大地の歴史を知ることは、大地の将来を考えるヒントになります。 また、地層の上下関係や時代をきめることは、化石をつかった進化や環境復元の研究にはなくてはならないものです。 このコーナーでは、実際にプレパラート標本を顕微鏡で観察したり、 引き出しのなかにある岩石標本を観察することができます。

A3-2-2 魚類化石の研究

琵琶湖の変遷にともなって、湖のなかの生き物たちも進化したり、いれかわったりしてきました。 魚類化石の研究は、そのような湖のなかの生き物の生態系や魚類相をあきらかにしていく研究です。 研究には、骨格はもちろんのこと、歯、鱗、耳石などがもちいられます。

A3-2-3 植物化石の研究

古環境の研究にとって重要な化石のひとつに植物化石があります。 地層にのこされた枝や葉、球果や種子、花粉などをつかって過去の植物相を復元し、 そこから当時の気候を推定します。 このコーナーでは、コンピュータをつかった発掘体験もできます。

A3-2-4 せきつい動物化石の研究

古琵琶湖層からは、たくさんのせきつい動物化石が発見されています。 ここでは、その化石の骨を現生の骨格と比較すること、複製模型のつくりかた、 化石のクリーニングのようすなどを紹介しています。