地質学雑誌に掲載された,房総半島のKd38火山灰層
(古琵琶湖層群の五軒茶屋火山灰層に対比)
の露頭写真とその説明.

 Kd38火山灰層は,房総半島中央部に広く分布する,鮮新ー更新統(鮮新世〜更新世にできた地層の意味.大阪には大阪層群.琵琶湖周辺では古琵琶湖層群がほぼ同時代のもの)上総層群の下部に挟まっている火山灰層で,古琵琶湖層群の五軒茶屋火山灰層や大阪層群の福田火山灰層と同じものです.
 およそ175万年前に今の岐阜県北部あたりで噴火したと考えられています(吉川ほか,1996).  論文の内容は,簡単にいうと,従来Kd38とされてきた火山灰が,房総半島の中でも地域によって,岩相(野外での見かけ)がかなり異なっているが,そのものの分析や周辺の火山灰層の対比などによって,従来の考え通り同じ火山灰であった.その岩相の違いは,その火山灰が降ってきてから,地層になるまでにどうやってたまったか?どんな場所でたまったか?という違いを表している,〜〜〜などということを述べています.
 詳しくは,論文を読めばよいので,ここでは,論文であつかった地点の火山灰の岩相を写真で見ることにします.
里口保文・渡辺真人・中条武司・片岡香子(2000)上総層群下部に挟在するKd38火山灰層ー房総半島におけるその対比の再検討ー.地質学雑誌,106,189-204.
 Kd38火山灰層の露頭写真は次のページです.


このページでは大阪の福田火山灰,滋賀県の五軒茶屋火山灰,房総半島のKd38火山灰層(対比された場所)の3地点の露頭写真を見ます.


 この写真は,大阪南部でみられる福田火山灰層の露頭写真です.福田火山灰層は,下部に白色細粒火山灰,中部に赤褐色細粒火山灰,上部に白色細粒火山灰(軽石を含むことがある)からなります.
これらは下位からユニットA1,ユニットB,ユニットCという区分がされていて,ユニットA,Bは,降ってきた状態をうまく残している部分で,ユニットCは流されてきた火山灰でできています(吉川ほか,1996).





 この写真は,滋賀県石部町五軒茶屋でみられる五軒茶屋火山灰層の露頭写真です.五軒茶屋火山灰層も福田火山灰層と同じような岩相をしています.


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 この写真は,千葉県君津市折木沢の川沿いの露頭写真です.Kd38火山灰層は福田火山灰や五軒茶屋火山灰層と少し違っています.
一番下は,白色細粒火山灰なのですが,その上の赤褐色細粒火山灰との間には,黒い斑点状に見える(ごま塩状といっています.今の人はごま塩といってもわからないと思いますが)粗い火山灰が挟まっています.これは吉川ほか(1996)では,ユニットA2といっています.このユニットA2は大阪や滋賀県ではみられなくて,房総半島と新潟県といった,東にしかみられないという特徴があります.




(c)satoguchi


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