ニュースレタータイトル

ニューズレターNo.21(2007年10月発行)


 長かった残暑もかげりを見せ,朝夕はめっきり涼しくなってきました.急に寒くなった事で体調など崩しておられないでしょうか?これから寒くなってきますので気をつけてください.
 さて,毎年9月には講師をお招きしての秋の研究会を行っていますが,今年は諸事情により地学研究発表会ではなく,自然史学会連合という自然系の研究団体の集まりによる講演会をお知らせすることとなりました.


自然史学会連合講演会のご案内


平成19年度 自然史学会連合 講演会
「いきもの・ひと・みずの自然史」

 自然史学会連合は、国内38の学協会からなる組織です。この講演会では様々な自然系分野の研究者10名が、その面白さについてわかりやすく解説します。

  • 日時:2007年11月25日(日),11時〜16時30分
  • 場所:滋賀県立琵琶湖博物館 ホール
  • 主催:自然史学会連合,共催:滋賀県立琵琶湖博物館
  • 協賛:ロレックス・インスティテュート
     無料・予約不要・定員200名
  • 講演者:
     真鍋 真(国立科博) 「恐竜とその時代を考える」
     本多大輔(甲南大)  「ラビリンチュラ類‐新しく認識されてきた海洋の分解者‐」
     近 雅博(滋賀県大) 「日本のツノクロツヤムシはどこからきたの?」
     向井貴彦(岐阜大)  「マングローブ林の小さな魚たちのはなし」
     亀田佳代子(琵琶湖博)「湖から森へと養分を運ぶ鳥!?」
     石田 惣(大阪市自然史博)「ムラサキイガイはどこから来たの?博物館の収蔵庫に眠る
                   ストーリー」
     中島経夫(琵琶湖博) 「コイ科魚類から見た東アジアの湖と人」
     小田 亮(名古屋工大)「サルのことばとヒトのことば」
     太田博樹(東京大)  「ゲノムからヒトの文化や歴史がわかる!?」
     西田治文(中央大)  「発見する悦び−生きた眼を養うということ−」
詳細については ネットページへ



県内の博物館情報+

●多賀の自然と文化の館

企画展「トンボのめがねは何色めがね?」
 多賀町に生息するトンボから水辺環境を見つめなおします。会場には巨大トンボ模型や巨大トンボ写真パネルが大集合!!
 ○期間:2007年9月8日〜10月14日
 ○主催:多賀町立博物館・多賀の自然と文化の館、
     WWF・ブリヂストンびわ湖生命の水プロジェクト
企画展「多賀大社造営の歴史」
 平成の大造営を終えた多賀大社の歴史を紹介していきます。
 ○期間:2007年10月20日(土)〜11月25日(日)
 ○休館日:火曜日(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始、臨時休館あり
 ○問い合わせ 電話0749-48-2077、E-mail: museum@tagatown.jp
        【インターネットページ】

●みなくち子どもの森自然館
特別展「キノコを楽しむ(仮)」
 ○期間:2007年12月19日〜2008年3月9日
 ○休園日:月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日(土日を除く)、12/28〜1/3
 ○問い合わせ 電話0748-63-6712、
        E-mail:shizenkan@city.koka.shiga.jp

●琵琶湖博物館
 企画展示「琵琶湖のコイ・フナの物語 〜東アジアの中の湖と人」
 この企画展示は、去年行った企画展示の続編です。今年度の企画展示では、7000万年前のコイ科魚類の誕生からこの地で人と本格的な接触を果たすまでの地史と,人との密接な関わりを持ちだした縄文・弥生時代以降の人と魚の関わりの歴史的な変遷を示し,今後のコイ科魚類と人との関わりについてを考える展示です.
 ○期間: 2007年7月14日(土)〜11月25日(日)
 ○休館日:月曜日(祝日の場合翌平日)
 ○問い合わせ 電話 077-568-4811 【インターネットページ】

滋賀県内ではありませんが,化石に関する展示のお知らせ
●大阪市立自然史博物館
特別展「世界最大の翼竜展-恐竜時代の空の支配者-」
 近年,翼竜の進化と絶滅,鳥類とのすみわけ,飛行や歩行の秘密など,新たに発掘された化石や分析技術の進歩などから徐々にその全容は明らかになりつつあります.そんな謎の多い「恐竜時代の空の支配者」である翼竜の秘密に迫る日本で初めての展覧会です.
 ○期間: 2007年9月15日(土)〜11月25日(日)
 ○休館日:月曜日(祝日の場合翌平日)
 ○問い合わせ 電話 06-6697-6221(翼竜展事務局)
        【インターネットページ】



お知らせ

「記録しておきたい滋賀県の地形地質」編集委員会

 藤本さん達が中心となって進めているこの件は,9月17日に編集委員会が行われました.その時の議事録を元に,現在の状況をお知らせします.  編集委員会へ提出された項目は1000件を越えました.ただし,これらの中には,重複している項目や,対象が大きなカテゴリーから,小さなカテゴリーまで様々ですので,これらをどのようにまとめていくかについての検討が行われました.現在,各グループごとに絞り込みの作業を行っている所です.最終的には,それぞれをまとめて出版物の形にする予定ですが,出版物では大きなカテゴリーごとで1〜2ページを割くことにして,細かいカテゴリーについてはCD-Rとして付録でつけたり,抜け落ちた部分は,インターネット公開時に,それぞれの大きなカテゴリーからリンクをするなどの方法がとられることと思います.その他,原稿を提出するときの様式や,写真・地形図におけるスケールの統一などについても話し合われましたので,各グループの責任者から原稿依頼が来たときには,なるべく快く受けてくださいますようお願いします.


「甲賀市レッドデータブック『守ろう!!甲賀の自然と生き物』の刊行」

 甲賀市レッドデータブック「守ろう!!甲賀の自然と生き物」を発行しました。動植物のカラー写真と簡単な解説をつけた、A5版80ページの読み易い形式となっています。
 甲賀市の希少な野生生物や自然についてまとめた初めての本であり、それらの生息環境についても分かりやすく解説しました。
 みなくち子どもの森自然館にて1冊800円で販売します。郵送をご希望の場合は、お問合せ下さい。

【お問い合わせ】
みなくち子どもの森自然館
〒528-0051
 滋賀県甲賀市水口町北内貴10
 電話 0748-63-6712
 ファックス0748-63-0466
 e-mail:shizenkan○city.koka.shiga.jp
       (○を@にしてください)
                 (小西省吾)



地質関連ニュース

●“地質の日”が5月10日に制定される

 地質の事をより一般の人に知ってもらおうという動きの中で,“地質の日”というものが制定されました.5月10日を“地質の日”にした由来は,明治9年(1876)にライマンらによって日本で初めて広域的な地質図「200万分の1『日本蝦夷地質要略之図』」が作成された日を記念してです.この日には,全国の博物館などでイベントすることも企画しているようです.
  インターネット紹介ページ

【補足】
 地質の事や地学の事をもっと一般の人に知ってもらおうという動きは,最近より活発化してきました.その世界的な動きはユネスコ(UNESCO)と国際地質科学連合(IUGS)が中心になって取り組んでいる【国際惑星地球年】があります.国連では2008年を国際惑星地球年とさだめ,2007年から3年間を「惑星地球の3カ年」としてイベントや研究計画を実施する事を推奨しています.そういった動きにあわせた日本の動きとして,上記の地質の日制定などがあります.他には,【地質百選】の選定とそれに関連した出版物や,国際的にはUNESCOが絡んでいる【ジオパークの認定】があります.
 地質百選では,滋賀県は石山寺の珪灰石のみが登録されているだけですが,日本全体の100選としては絞らざるをえなかったこともあるのでしょう.現在,藤本さんを中心にすすめている“記録に残したい滋賀県の地形地質”は,これとも内容的にはリンクしていますが,より詳しいものですしこちらは地域の地理や地質という事を考えた場合,より大きな意味をもつものと思いますので,皆さんの力でより良いものにしていきたいと思います.また,ジオパークについては,滋賀県ではまだその動きはありません.ジオパークの認定は,ユネスコと関係していますが,世界遺産のように利用が難しくなるのではなく,むしろ地域の人々が学習・教育で,また観光で利用しているという事が重要な条件になります.日本では有珠山や雲仙岳,糸魚川市などが候補になっているようです.(里口)




気になる本

●「人類紀自然学ー地層に記録された人間と環境の歴史ー」
人類記自然学編集委員会(代表・熊井久雄)編著(共立出版 本体価格3,800円)

 ここ数年,第四紀関係の書籍が何冊か出版されていますが,これはそのうちの一つと言えるでしょう.似たような本があるなら,どれか一つだけでいい,と思われがちですが,実際には内容は結構違っています.この本は,編集委員会の代表になっている熊井久雄氏の退官記念で企画されたものですが,著者は若手の研究者が多く,最近の研究成果に基づいた,これまでにはあまり書籍では見かけなかった微粒炭や珪藻化石などの例も含まれ,人類の時代である第四紀をどのように研究するかの基礎的な情報が盛り込まれている.また,国際的には失われるかもしれなかったQuarternary(第四紀)の時代区分についての論争の解説もある.なお,この本には私も著者に加わっています.自分も関わっている本の紹介というのはなかなか書きにくいものです.(里口)


●「地球史が語る近未来の環境」
 日本第四紀学会 町田洋・岩田修二・小野昭(編)(東京大学出版会 本体価格2,400円)

 この本は,前述に引き続き第四紀を中心とした書籍ではありますが,その内容や目的はだいぶん異なっています.1987年にも日本第四紀学会が編集した書籍「百年・千年・万年後の日本の自然と人類」が古今書院から出版されてから20年たった現在,社会的にはより環境問題をはじめとした環境についての関心が集まっていることから,現在に近い過去である第四紀の環境変動から未来を考えるための,現在の研究の進展や動向をまとめたものとなっています.つまり,第四紀研究の大きな動向をとらえたり,現在の第四紀研究はどこまでわかっているのかを大まかにとらえる事ができるようになっています.学部生や大学院生などこれから研究しようとする人はもとより,子ども達へ環境教育をしようとする教員の方々にもおすすめしたい書籍です.(里口)

●大阪市立自然史博物館叢書「大和川の自然」
 大阪市立自然史博物館 編著 (東海大学出版会 本体価格2,800円)

 大阪に住む人ならば,大和川と聞けば“汚い川”という印象しかないでしょう.日本の一級河川では“汚い川”として毎年のように上位に入る川ですが,この本を読めばこの川について何も知らなかったという事をわからせてくれる書籍です.大阪市立自然史博物館がここ数年にわたって,一般の方々や研究者と一緒になって調べてきた大和川の調査結果が一冊の本にまとめられています.大和川の水質調査に始まり,生き物調査の結果は,それぞれの生き物について多くの写真を使って図鑑的に解説していることから,大和川周辺の自然を学ぼうとする人だけでなく,自然調査をしようとする人や,生き物についても学びたいという人には大変便利な本です.(里口)




編集後記:

 今回は諸般の事情のため,秋の研究会は違う形での講演会となりましたが,これまで行ってきたものよりもボリューム的に充実した講演会で,どの講演も興味深いものと思われますので,是非ご参加ください.また,地学研究会の方は,今回は見送りましたが,皆さんが発表者になる冬の研究会は企画中です.日程などが決まり次第お知らせいたしますので,今から発表することを念頭に調査したり,これまでのまとめをされるなど準備をしていただけるとありがたいです.また,このニュースレターでお知らせしたいことや,本の紹介などありましたら,事務局までお知らせください.(里口)



琵琶湖博物館地学研究発表会 事務局
中島 経夫(魚類形態学)  高橋 啓一(古脊椎動物学)
山川 千代美(古植物学)  里口 保文(火山灰層序学)
宮本 真二(自然地理学)
〒525-0001 草津市下物町1091番地  滋賀県立 琵琶湖博物館地学研究室内
 tel:077-568-4811(博物館代表) Fax:077-568-4850(事務室)
E-mail:nakajima○lbm.go.jp,takahasi○lbm.go.jp,yamakawa○lbm.go.jp
       satoguti○lbm.go.jp,miyamoto○lbm.go.jp,
(○は@に入れ替えてください)


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