最近の地学関係の記事について
ここで述べていることは,里口が新聞記事を読み取って,一部引用したりしていますが,
コメントなどは基本的には里口が記事のまとめをしたり,考えを書いています.
産経新聞2001.12.08の記事
「東南海・南海地震の各地域予想震度」
(要約)
政府の地震調査委員会が、東南海地震と南海地震が起こった場合の各地域の予想震度の試算を発表。激しい揺れが広範囲に起こり、広範囲で震度6が記録されることが予想されている。
今回の結果について調査委員会では、試算のデータには不確実要素があるため実際には異なる可能性も指摘しているが、強い揺れの地域が広範囲に及ぶことから、関係都府県は防災対策に取り組むべきであることもはなしている。らしい
(私の感想)
地震関係の記事は、この記事の出る少し前にも出ていたと思います。それは東海地震の方だったでしょうか?地震の関係の記事もずいぶんと増えてきた気がします。しかし、地震の対策などは本当に十分行われるのか難しい出しょうね。阪神大震災の時にも議論がありましたが、建物の耐久年数が50年だとすると、大地震の起こる頻度と照らし合わせて、それほど地震の対策なんて、という風潮が出やすいだろうとも思います。しかし、日本という国というか、この島々がどういうところか?をしっかりと見直して、考えていくべきだと思います。それは、政府だけではなく、我々市民も知っておいた方がよいことでしょうね。そのためにも、博物館はがんばらなければいけないとつくづく思います。
京都新聞2001.08.30の記事
「エトナ山は”変身”火山」
(要約)
「ワシントン29日共同」から.今年7月に噴火したイタリア・シチリア島のエトナ山についての研究結果を,仏伊共同研究グループがNatureに発表した.
エトナ山は,ハワイの様な孤立した「ホットスポット型」火山から,プレート沈み込み帯沿いに出来る「島弧型」火山(たとえば日本の九州や東北などの火山)やと変化してきているこれまでにない火山であるという分析結果をこの研究グループは発表している.
従来の研究では,エトナ山はホットスポット型と考えられてきたが,50万年前から最近までの火山噴出物の組成を分析した結果,最近になるほど島弧型に近い組成に変化している.
(私の感想)
めずらしく火山関係の記事.しかも外国の.この論文は琵琶湖博物館の図書にあるNatureで読みました.ホットスポットや島弧の話はなかなか一般の人にはわかりづらいと思います.ものすごいはしょって話しをsると,ハワイの様などろどろとした溶岩を流す噴火の仕方から,日本の火山によくある噴煙をはいて爆発するような噴火の火山に変わってきた,という事ですね.噴火の仕方としては,噴煙をはく火山の方が爆発力が大きいです.
それにしても,何故変わってきたのかは,書かれていないですね.論文の中にあったかどうかもう一度確かめないと.
この間に考古学に関連したような記事や,化石などの記事があったように思いますが,しばらく更新していませんでした.
毎日新聞2001.03.29の記事
「世界最古のサンショウウオ」
(要約)
一億5千万年前(中生代ジュラ紀)のサンショウウオの化石が中国北部の地層から,500個以上発見され,29日発行の英文科学誌Natureにシカゴ大学ネイルシュービン教授らが発表.これは世界最古のサンショウウオの化石となった.多くの個体が一ヶ所から見つかったことについて,火山噴火により埋まったものと推定.
(私の感想)
またもや化石.サンショウウオは昔からあまり形態の変わっていない生き物だそうで,それでもジュラ紀からいる,というのはすごいですね.関係ありませんが,ゴキブリも昔からあまり変わっていないそうですね.火山噴火によって埋まったというのは,Natureの論文の方を読んでみないとわからないですが,おそらく,火山の噴火によって直接埋まったと言うよりは,火山泥流などによるものでないと,化石として残らないでしょうね.ちゃんと論文をよんでから書くべきだったかな?
産経新聞,朝日新聞2001.03.22の記事
「ケニアで350万年前の猿人化石を発見」
(要約)
このタイトルは,新聞記事のタイトルじゃないです.
ケニア国立博物館の人が英文科学雑誌Natureに発表.ケニアで350万年前の地層から猿人化石を発見した.これは新種のヒト科(ケニアントロプス・プラティオスと名付けられた)の頭蓋骨で,人類進化の見直しにつながる可能性を指摘している.
(私の感想)
今回も化石の関係ですね.これは新聞記事というよりも,Natureに論文が載っているので,新聞記事よりもNatureを読むべきですね(私もよんでませんが).人類進化については,いろいろな説があって,なかなか難しい.しかし,人類にとって,自分たちのルーツを知ることは興味ある課題と思います.
京都新聞,日経新聞,中日新聞2001.03.20の記事
「国内最大31トン 初のティタノサウルス」
(要約)
上のタイトルは,いくつかの新聞社のタイトルをあわせているので,こういうタイトルの記事はたぶんないでしょう.
三重県大型化石発掘調査団は,三重県鳥羽市の海岸で1996年に発見された大型動物の化石が,大型草食恐竜のティタノサウルスであると発表した.中生代白亜紀前期の約1億4千万〜1億3千万年前のもの.
(私の感想)
この記事はわりと詳しく載っていたのですが,かなり省いています.国立科学博物館の人がコメントをしていた記事もありました.私は化石のことはよくわからないのですが,よくあれだけの部分しか出ていないのに,種類がわかるものだなぁと関心です.それにしても,この発掘が5年も前のものだったとは,時間の流れを感じます.
毎日新聞2001.02.02(夕刊)の記事
「琵琶湖 25年間で30センチ深〜く」
(要約)
1976年国土地理院が測定した琵琶湖の最深部103.8メートルと比べて,最近琵琶湖研究所が測定した結果104.1メートルと,30センチ深くなっていることがわかった.これについて,同志社大の横山卓雄さんは西日本に沈み込んでいるフィリピン海プレートの影響を指摘.東大地震研の笠原順三さんは琵琶湖の西部に南北に走る断層帯が非地震性の横ずれをおこして沈降している可能性を指摘している.
(私の感想)
琵琶湖の深さが深くなったというこの記事を読むと,琵琶湖の底には日々堆積物(深いところはたいてい泥)がたまり続けている事を考慮すると,実際の琵琶湖盆はもっと深くなっているという事になりますよね.
この記事のなかでは2名のコメントが載っていますが,どちらも一般の方にはイメージしにくいのでは.プレートが沈みこむことは上下の移動を伴うイメージがあるという点ではわかるのですが,それが何故琵琶湖盆を沈ませる事につながるのかがイメージしにくいです.琵琶湖西部の断層帯の非地震性のずれのため,もそこまでは何となくイメージがわかるのですが,横ずれの動き(横方向の移動)が何故琵琶湖盆を沈ませる(上下の移動)のかイメージしにくいです.ただ,日本に地震が多く,活断層も多いことはプレートの沈み込みが関係しているので,横山さんのコメントは無難な意見という気がします.新聞記事には,専門家の間で意見が分かれている,と書いていますが,私の感想としては意見が分かれているようには感じませんでした.
つけたしですが,今回の測定で前回の測定した場所と同じ位置で測定した結果は103.9メートルだったようです.記事のこの部分を読むと,30センチ深くなったというより10センチで,以前の測定した場所が悪かったのかも?と言う印象を受けます.実際の所は私にはよくわかりません.
朝日新聞2001.01.31の記事
「富士山に黄信号?」
(要約)
低周波地震が急増していることから,マグマが活性化している(噴火しそうという訳ではない)可能性を指摘している.この記事では,過去の火山活動を歴史書や火山灰・火山調査・研究,地球物理学的研究などの紹介と火山の災害について言及している.
ただし,マグマの活性化の可能性を指摘しているだけで,今すぐ噴火するわけではないと述べている.
(私の感想)
昔は悪戯に市民の恐怖心をあおることになる,などの考えから,このような記事はあまり書かれなかったように思われます.しかし,最近の情報公開を求める声や,状況を知らせるべきであるという声があがっているのか,こういう記事が少し見かけるようになりました.特に,岩手県の岩手山火山防災マップが出されている事などはすばらしい事だと思います.
しかし,一方で,悪戯に恐怖心をあおる,という事も全くないわけではなく,こういった記事を載せる側も,説明する側も十分な注意が必要だと思います.特に,噂で伝わる場合などは,情報提供者の意図しなかった情報に変換されて伝わる可能性もあります.やはり,きちんとわかりやすく説明する事は科学者としての義務だろう,という気がします.また,情報が正確に伝わるように,一般の人々が情報を正確に把握できるように,学習や普及なども必要で,そういったことも博物館等にもとめられているのだろうか?と思うこの頃です.
それにしても,日本はこういった火山や地震大国といわれ,実際にそのような現状があるのに,教育現場からは理科・地学が衰退して行っている現状を,地学に関わるものとして反省.
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