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 Goin' at Field! フィールドへ出よう!

あなたも
フィールドレポーター
なってみませんか?

学芸技師 亀田 佳代子

 博物館では、これまでさまざまな参加型調査を行ってきました。たとえば、「タンポポ」や「アオマツムシ」など生き物についての調査、「ビワコダス」や「ホタルダス」といった、ある特定の生き物や自然現象についての長期間にわたる調査などです。こうした調査のほかに、今年の春からは「フィールドレポーター」という新しいタイプの参加型調査を開始しました。

 これまでの参加型調査では、それぞれの調査ごとに参加者を募集して実施していました。つまり、その調査について興味があるな、と思った方だけに応募していただくといったものでした。それに対し、フィールドレポーターは1年という任期の間で、身近なくらしの中での発見や環境の変化などについて、複数の調査をしていただくというものです。今年度は5月に募集を行い、グループ参加も含めて100名以上の応募がありました。

 調査報告の方法には二つあって、「アンケート型調査」と「自由型調査」という形式で調査をしていただいています。「アンケート型調査」は、こちらから示した項目について情報を寄せていただくもので、これまで行ってきた「タンポポ」や「カタツムリ」の調査と同じ形式のものです。つまり、こちらから調査の目的や方法をお伝えし、それにそって指定の調査用紙に記入していただくというパターンです。この調査では、「かならず調査」と「できれば調査」の二つの項目をもうけました。「かならず調査」は調査に参加する際必ず調べていただきたい項目、「できれば調査」は余裕のある方、またはその調査に特に興味のある方が、少し時間や労力をさいて調査をしていただくものです。どちらも締切日までに調査用紙を送っていただき、結果を整理しています。

          

 今年度の「アンケート型調査」では、4項目調査をお願いしました。第1回調査は「ツバメの巣を調べよう」(5月〜8月)、第2回調査は「水辺の貝を調べよう」(7月〜8月)、第3回調査は「あなたが使った水の量」(8月と1月の2回)、第4回調査は「セイタカアワダチソウを調べよう」(10月〜11月)です。

 一方「自由型調査」は、身近な環境や日々の暮らしについての情報を自由な形でお寄せいただくもので、特に調査方法や調査用紙をもうけません。調査項目としては、季節を感じるものやできごと、地元のお祭り、水にまつわるものやできごとについての情報をお願いしました。もちろんそれ以外のことがらについても、自由に情報を寄せいただいています。

     

 こうして寄せられた情報は、随時レポーター便りとして報告をしています。最終結果は、3月に結果報告・交流会としてレポーターの方々にお伝えし、お互いに交流を深めていただくことにしています。もちろん、結果は博物館内で展示したり、報告書としてまとめていきます。どの調査からも、生き物そのものの生活や自分自身の生活の様子だけでなく、人と周囲の環境との関わりや思い入れが現れてきています。最終結果が楽しみです。

 今年度のフィールドレポーター調査では、参加していただいた方には実際の調査だけをやっていただき、調査の目的や方法の設定、調査結果のまとめについては博物館側で行ってきました。来年度のフィールドレポーター調査からは、レポーターの方々に調査のまとめや結果の検討、発表方法についても参加していただきたいと考えています。調査の面白さというのは、実際に野外や現場で調査を行うことだけではなく、「なんだろう?」「どうしてこうなっているんだろう?」といった疑問の答えを見つける楽しさや、結果をまとめる過程で、ぼんやりとしか見えていなかったものがはっきりした形になっていくのを体験できる面白さにもあります。ですから、レポーターの皆さんには、調査内容を決めることから、結果をまとめて他の人たちにもわかるような形で発表するところまで、調査の醍醐味を実感していただきたいと思っています。もちろん、どんな調査方法をとったら疑問に答えられるか、多くのデータをどうやってまとめていったらよいのかなど、悩むところも多いかもしれません。でも、そこは皆さんよりちょっぴり調査経験の多い学芸員が、なにかアドバイスを差し上げることができるかもしれません。

 今年度の終わりには、来年度のフィールドレポーターの募集を行います。皆さん、是非フィールドレポーターに参加して、一緒に調査の面白さを味わってみませんか?(7ページ参照)


 第1回調査である「ツバメの巣」の調査結果について、「レポーター便り」をもとにちょっとここでご紹介しましょう。

 ツバメは大変身近な鳥で、皆さんご存じの通り人家や店先などに巣を作ります。こうしたツバメ自身の分布の変化と子育ての様子、そしてツバメに対する人々の思いについて調べてみました。

     

 皆さんツバメに対しては大変関心が高く、たくさんの調査結果が寄せられました。ツバメが巣を作るのは、やはり人家やお店、ガレージなどが多く、橋などではあまり多くありませんでした。しかしながら、ツバメの仲間であるコシアカツバメの巣は、駅や橋などで見つかっていることがありました。ツバメは、巣のあるおうちの方に守られていることも多く、他の鳥と比べるとヒナが無事巣立つことが多くなっています。ヒナのえさは、大半が小さな虫のようですが、トンボの多い季節にはけっこうトンボも取っていることもわかりました。ツバメが巣を作ることに対しては、ほとんどの方が歓迎していましたが、「ちょっと迷惑」と答えたのは比較的若い世代でした。おそらく、家の構造や生活が不便になることなどが関係してくるのではないかと考えられます。

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