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どこでも博物館

朽木朝日の森でのフィールド実験

主任学芸員(森林生態学) 草加 伸吾


伐採後植林されてかなり大きく育った5年目のスギ林。写真上部に見えるのはもとのクリ、コナラ林
 琵琶湖西北部に流入する安曇川の流域に、朝日の森があります。そこで数年前から、森の木を切ると下流の川や湖にどんな影響が出るかを調べる実験を行っています。同地域には昔から薪炭林として利用され、その後放棄されたクリ・コナラの二次林が広がっています。
 ここに尾根と谷で囲まれた小さな流域を二つ選び、流れ出る水を比べながら、片方を伐採し、栄養塩など湖の汚れの元になる物質が増えるか減るかといったことを調べます。伐採前と伐採後、数年にわたり、大雨時や普段、定期的に調べ、森林地の健康診断をするわけです。
 この実験から、木を全部切ると、吸収されなくなった窒素分が最初のうちは濃度で十数倍〜400倍、大雨時に量で約40倍も出てくること、6年経った今でもまだ元に戻っていないことがわかってきました。しかし同時に、斜面の上部と中下部では出方が違い、下部からの濃度が最も高いことも明らかになってきました。これらの研究を生かして、森林の環境調節機能を維持し、富栄養化物質の少しでも出にくい木の切り方、森の管理の仕方を探し、提案していきたいと考えています。




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