奈良県指定の天然記念物のワタカが生息する石上神宮の鏡池

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研究活動紹介

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コイ科魚類の咽頭歯の研究を通じて、魚と人の関わりがどのように築かれてきたのかを考えています。

■2010年度の活動
2010年度は中国浙江省田螺山遺跡のコイ科魚類咽頭歯遺存体の研究を終え、以下の3つ論文を投稿した。
1.Nakajima, T., Nakajima, M., Mizuno, T., Sun, G.-P., He, S.-P. and Liu H.-Z., On the pharygeal tooth remains of crucian and common carps from the Neolithic Tianluoshan site, Zhejian Province, China, with remarks on the relationship between freshwater fishing and rice cultivation in the Neolithic age.
2.中島経夫・中島美智代・孫国平・中村慎一,田螺山遺址K3魚骨坑内的鯉科魚類咽歯.北京大学中国考古学研究中心・浙江省文物考古研究所編『田螺山遺址自然遺存総合研究』
3.中島経夫,由鯉科魚類咽歯遺存還現史前時代漁撈同稲作的関係.北京大学中国考古学研究中心・浙江省文物考古研究所編『田螺山遺址自然遺存総合研究』
科研費基盤研究B「水辺エコトーンにおける魚と人:稲作起源論への新しい方法」(代表者:中島経夫)が採択され、中国社会科学院考古研究所、中国科学院水生生物研究所、湖南省考古研究所、湖北省考古研究所、浙江省考古研究所との共同研究を開始した。賈湖遺跡の魚類遺存体の研究を本格的に始めた。2011年1月には、日中国際ワークショップ「水辺エコトーンにおける魚と人:稲作起源論への新しい方法」を開催し、共同研究者間での研究課題の目的、計画の共有化をはかるとともに、情報を交換した。
咽頭歯モノグラフ"Comparative studies of the pharyngeal teeth of cyprinid fish"については、継続執筆中である。

■2009年度の活動
2009年度は,総合地球環境学研究所:プロジェクト「東アジア内海の新石器化と現代化:景観の形成史」(代表者:内山純蔵)のコアメンバーとして,琵琶湖ワーキンググループ、中国ワーキンググループで,主に新石器化の景観形成史について研究を進めた。さらに、科研費基盤研究A「河姆渡文化研究の再構築 ―余姚田螺山遺跡の学際的総合調査―」(代表者:中村慎一)に加わり田螺山遺跡のコイ科魚類咽頭歯遺体の分析を行った。これらの研究プロジェクトで、長江流域の新石器時代遺跡から出土する咽頭歯遺存体の調査を実施し、日本語版と中国版の報告書を執筆した。また、中国社会科学院考古学研究所との共同研究で、河南省の?湖遺跡、広西省の頂獅山貝塚などの咽頭歯遺体の調査を実施した。


■2008年度の活動
2008年度は,総合地球環境学研究所:プロジェクト「東アジア内海の新石器化と現代化:景観の形成史」(代表者:内山純蔵)の琵琶湖ワーキンググループ、中国ワーキンググループで主に新石器化の景観形成史について研究を進めている。さらに、科研費基盤研究A「河姆渡文化研究の再構築 ―余姚田螺山遺跡の学際的総合調査―」(代表者:中村慎一)に加わり田螺山遺跡のコイ科魚類咽頭歯遺存体の分析を行っている。これらの研究プロジェクトで、長江流域の新石器時代遺跡から出土する咽頭歯遺存体の調査を実施している。2008年度は,浙江省余姚市の田螺山遺跡の調査とその報告の執筆とならんで,湖南省?県の城頭遺跡、八十当遺跡、道県の玉蟾岩洞穴、高廟遺跡から出土した咽頭歯遺存体の調査を実施した. 咽頭歯研究のまとめとして、咽頭歯モノグラフ"Comparative studies on the pharyngeal teeth of cyprinids"の執筆に取りかかった。

■2007年度の活動
2007年度は,2006年度に終了した総合研究「東アジアの中の琵琶湖 ? コイ科魚類の展開を軸にした環境史に関する研究」の研究成果に基づく企画展示「琵琶湖のコイ・フナの物語 ? 東アジアの中の湖と人 - 」を実施した。 また,2006年度から始まった総合地球環境学研究所:プロジェクト「東アジア内海の新石器化と現代化:景観の形成史」(代表者:内山純蔵)の琵琶湖ワーキンググループ、中国ワーキンググループで主に新石器化の景観形成史について研究を進めている。さらに、科研費基盤研究A「河姆渡文化研究の再構築 ―余姚田螺山遺跡の学際的総合調査―」(代表者:中村慎一)に加わり田螺山遺跡のコイ科魚類咽頭歯遺存体の分析を行っている。


■2006年度の活動
2006年度の研究活動は,琵琶湖博物館の研究プロジェクトとして,総合研究「東アジアの中の琵琶湖 ? コイ科魚類の展開を軸にした環境史に関する研究」(以下総研「東アジア」を中心に行ってきた.この研究は、2006年度が最終年度にあたり、2006年度、2007年度の企画展示、単行本の出版に向けて最後のまとめにはいっている。 また、2006年度からは、総合地球環境学研究所:プロジェクト「東アジア内海の新石器化と現代化:景観の形成史」(代表者:内山純蔵の琵琶湖ワーキンググループ、中国ワーキンググループで主に新石器化の景観形成史について研究を進めている。また、科研費基盤研究A「河姆渡文化研究の再構築 ―余姚田螺山遺跡の学際的総合調査―」(代表者:中村慎一)に加わり田螺山遺跡のコイ科魚類咽頭歯遺体の分析を行っている。

■2005年度の活動
2005年度の研究活動は,琵琶湖博物館の研究プロジェクトとして,総合研究「東アジアの中の琵琶湖 ? コイ科魚類の展開を軸にした ?  その環境史に関する研究」(以下総研「東アジア」を中心に行ってきた.この研究は、2006年度が最終年度にあたり、2006年度、2007年度の企画展示、単行本の出版に向けて最後のまとめにはいっている。 2004年度末にうおの会の調査活動をまとめた琵琶湖博物館研究調査報告23号「みんなで楽しんだうおの会 身近な環境の魚たち」を出版したが、この報告書では、各種の分布図という生のデータを示しただけである。うおの会の調査では、採集地点の環境データも同時に調査している。これらのデータと魚の分布との関係などまだ分析が行われていない。共同研究「『魚が確認できない』データに基づく魚類が脅威にさらされている地域の特定と要因の解明」で、うおの会データの分析を進めている。また、うおの会は琵琶湖お魚ネットワークの中心的団体として調査活動や観察会の指導をおこなってきた。

■2004年度の活動
2004年度の研究活動は,琵琶湖博物館の研究プロジェクトとして,総合研究「東アジアの中の琵琶湖 ? コイ科魚類の展開を軸とした ? 環境史に関する研究」(以下総研「東アジア」,共同研究「滋賀県内の魚類分布調査および琵琶湖博物館収蔵魚類標本の充実」(以下共研「魚分布」を行ってきた. うおの会の活動を主体に実施している共研「魚分布」は,滋賀県全域の調査を2002年度に終了したことをうけ,法竜川定点調査を2003年度から2004年度にかけて1年間実施した.これらの調査結果を琵琶湖博物館うおの会の会員によってまとめる作業を行ってもらった.うおの会の会員が何を考えて調査に参加したのか,法竜川定点調査その成果,全県調査の成果をあわせて,琵琶湖博物館研究調査報告23号「みんなで楽しんだうおの会 - 身近な環境の魚たち」にまとめた.その編集作業を行った. 総研「東アジア」および専門研究で行ってきた咽頭歯の研究のまとめとして,「多様な形がどのようにできあがるか - コイ科魚類の咽頭歯 -」(東海大出版会)を執筆した.


■2003年度の活動
コイ科魚類の咽頭歯の研究を通じて,湖と人間のかかわりの歴史を考えている.2003年度の研究活動は,琵琶湖博物館の研究プロジェクトとして,総合研究「東アジアの中の琵琶湖 ? コイ科魚類の展開を軸とした ? 環境史に関する研究」(以下総研「東アジア」,共同研究「滋賀県内の魚類分布調査および琵琶湖博物館収蔵魚類標本の充実」(以下共研「魚分布」を行ってきた.館外の研究プロジェクトとしては,奈良県田原本町「唐古・鍵遺跡」共同研究を行ってきた. 共研「魚分布」では,「うおの会」の活動をさらに本格化させ,滋賀県全域の調査をほぼ終えた.そのデータの整理にかかった.共研「魚分布」で明らかにした魚の分布の状況をどのように解釈するかを総研「東アジア」の中で考えてきた.それは2000年度から2004年度にかけて一連の成果: 中島,2001,琵琶湖魚たちのおいたちを考える.月刊地球 中島,2002,琵琶湖の魚類相の成立 - 琵琶湖への環境史的アプローチ.地球環境 中島,2003,淡海の魚から見た稲作文化.「弥生のなりわいと琵琶湖」,サンライズ出版 中島,2004,自然環境と文化のかかわり - 縄文から現代へ.「縄文学」,角川書店(印刷中) として発表してきた.また,総研「東アジア」で行ってきた鳥浜貝塚(縄文前期),下之郷遺跡(弥生中期)などからの咽頭歯遺体の分析結果がまとまり,その結果を,鳥浜貝塚研究4号,下之郷遺跡発掘調査報告書などに投稿した. 富山第一銀行奨学財団助成事業研究プロジェクト「学際的観点からの日本海地域文化に関する総合研究 富山からの展望と提言」が2002年度に終了し,その成果: 中島,2004,東アジアの淡水魚や西日本の基層文化を育んだ日本海.「日本海 ? 東アジアの地中海」,桂書房 を著した.

■2002年度の活動
琵琶湖博物館の研究プロジェクトとして,総合研究「東アジアの中の琵琶湖 ? コイ科魚類の展開を軸とした ? 環境史に関する研究」(以下総研「東アジア」,共同研究「滋賀県内の魚類分布調査および琵琶湖博物館収蔵魚類標本の充実」(以下共研「魚分布」を行ってきた.館外の研究プロジェクトとしては,富山第一銀行奨学財団助成事業研究プロジェクト「学際的観点からの日本海地域文化に関する総合研究」(以下「日本海」プロジェクト)および奈良県田原本町「唐古・鍵遺跡」共同研究を行ってきた. 共研「魚分布」では,「うおの会」の活動をさらに本格化させ,滋賀県全域の調査をほぼ終わり、そのデータの整理にとりかかる。共研「魚分布」で明らかにした魚の分布の状況をどのように解釈するかを総研「東アジア」の中で考えてきた.それは2001年度から2002年度の一連の成果(中島,2001,琵琶湖魚たちのおいたちを考える.月刊地球;2002,琵琶湖の魚類相の成立 - 琵琶湖への環境史的アプローチ.地球環境)として発表してきた.総研「東アジア」で行ってきた,鳥浜貝塚(縄文前期),下之郷遺跡(弥生中期)などからの咽頭歯遺体の分析の成果があがりはじめ,各種報告書などにまとめられつつある.また,西日本における縄文文化と弥生文化の関係を淡水漁撈の観点から考察できるようになった(中島,2003,淡海の魚から見た稲作文化). これらの成果は,International Conference Zooarcheology, Dahram 2002 (Dahram University, England)で発表し,その内容を投稿中である.

■2001年度の活動
2001年度の研究活動は, 総合研究「東アジアの中の琵琶湖−コイ科魚類の展開を軸とした−環境史に関する研究」(以下総研「東アジア」)、 共同研究「滋賀県内の魚類分布調査および琵琶湖博物館収蔵魚類標本の充実」(以下共研「魚分布」を中心にした研究活動を行ってきた。
共研「魚分布」では、「うおの会」の活動を本格化させた。その成果として、採集地点は 2380地点にのぼり、採集魚種は65種となった。彦根市、多賀町、湖北町、高月町などの採集地点が少ない地域のデータが揃い次第、結果をまとめる予定である。2000年度までの調査結果は、 中島他(2001)「琵琶湖湖南地域における魚類の分布状況と地形との関係.陸水学雑誌,62(3):261-270」として公表された。この調査はいくつかの重要な事実を明らかにした。第一に、琵琶湖周辺の集水域における面的な魚類分布を示した。その中で、オイカワ、カマツカ、ギンブナ、タモロコ、カワムツA型、タナゴ類、メダカ、トウヨシノボリといった琵琶湖の在来種が琵琶湖周辺の水路にかなり広く分布していることを明らかにした。一方、琵琶湖の沿岸帯につながる内湖や湖辺の河川、水路というデルタ帯の水域は、ブルーギルやオオクチバスに占拠され、そのことによって大きな影響を受けている魚たちが多数いることも明らかにした。例えば、タモロコ,カワムツA型,ヤリタナゴ,アブラボテなどである.
共研「魚分布」で示した成果を,総研「東アジア」で歴史軸の中でどのように解釈するかを試みている(中島,2001)「琵琶湖の魚たちのおいたちを考える.月刊地球,23(6):432-439」。その中で、水田稲作と淡水魚撈の結びつき、水田と魚たちの関係から、湖と人間のかかわり解き明かそうとしている。現在、取り組んでいる問題は縄文時代に生息していて現在生息していない魚がいつごろ絶滅したか、ワタカに注目して調査を進めている。
総研「東アジア」の全体の成果として, 月刊地球に総特集「21世紀の琵琶湖 琵琶湖の環境史解明」を組んだ.コイ科魚類を展開の軸とすることによって,1)コイ科魚類(生き物)と環境(気候,地形)とのかかわり,2)コイ科魚類(生き物)と人間のかかわり,3)人間と環境(気候,地形)という3者の相互関係を概観することによって,3者がどのような仕組みで相互に影響しあいながら時間軸にそってからみあってきたかを示そうとした.


■2000年度の活動

2000年度の活動は、 「うおの会」の立ち上げに多くの努力を費やした。この会は、共同研究「滋賀県内の魚類分布調査および琵琶湖博物館収蔵魚類標本の充実」(以下、共研「魚分布」)の共同研究者をコアメンバーに、一般市民が参加した調査を実施しようとする会である。共研「魚分布」では、ここ2年間、南湖周辺域を集中的に調査し、在来種や外来種の分布状況を明らかにした。その結果を、速報として「湖人」15号の研究最前線で紹介した。また,魚の分布と地形との関係を「滋賀県湖南地域における魚類の分布パターンと地形との関係」として投稿した。
咽頭歯モノグラフ"Comparative studies on the pharyngeal teeth of cyprinid fish"の基礎データとする一連の研究を進めた。(1)タモロコの咽頭歯の形態形成について「魚類学雑誌」で公表。(2)ニゴロブナ、チュウカヒガイ、テンチ、AcrossocheilusSinibarbusについての観察を終えた。
コイ科魚類化石の研究では、主に九州に分布する漸新・中新統や鮮新・更新統の研究を行った。更新統の小五馬層について「地球科学」で公表し,大分県安心院の鮮新統津房川層について投稿,中新統の野島層群や漸新・中新統の佐世保層群,鮮新・更新統の人吉層,太田川層などについて研究中である.また,中新世の海成層である一志層群や鮎河層群からコイ科魚類の咽頭歯を発見した.日本海形成期の対岸である韓国の調査を実施し,咽頭歯化石を多数発見した.
考古資料としての咽頭歯遺存体の研究では、縄文時代の鳥浜貝塚の咽頭歯遺体について「鳥浜貝塚研究」で公表し,現在,鳥浜貝塚と弥生時代の下之郷遺跡について,泥の水洗選別を終えの定量分析を行っている.また,縄文時代の三内丸山遺跡,帝釈峡遺跡,佐太講武貝塚や弥生時代の大中遺跡の咽頭歯遺体について同定作業を暇をみつけては行っている.また,奈良県田原本町教育委員会から,弥生時代の唐古・鍵遺跡の共同研究会委員の委嘱され研究を始めようとしている.


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