丸子船探検隊とは  

丸子船探検隊とは、滋賀県立琵琶湖博物館の「はしかけ制度」にもとづいて平成15 年度に結成された研究グループです。丸子船を中心とした伝統的木造船をテーマとし ています。  丸子船は近世から戦前までの琵琶湖輸送の主役で、琵琶湖博物館の「人と琵琶湖の 歴史」展示室の主要な展示物の1つです。  この船はきわめて特徴的な形をしています。縫い釘という特別な船釘を使って底か ら板を丸くはぎ上げ、両側にはオモギ(重木、面木)と呼ばれる丸太を半分に切った ものが取り付けられています。また、へさきは板を斜めに立て並べて作られていま す。このような構造から船全体は丸みをおび、そのために丸子船と呼ばれているよう です。   かつては帆に風を受けて走る丸子船が琵琶湖の各地で見られましたが、焼玉エンジ ン付きの船が登場したのち次第に衰退し、今ではほとんどその姿すら見ることができ ません。わずかに、浮かんでいるものが1隻、半分沈んでいるものが3隻、陸に上げ られたもの2隻がそのすべてです。  この木造船には湖という特殊な環境を知り尽くした人間のさまざまな知恵や技術が 活かされています。 琵琶湖博物館では開館に先立ってこの船の建造技術を持つ船大工を探し出し、実物を 新造して展示することができました。巨大な木造船の製作過程を目の前にしたこの2 年間は驚きと感動の連続でした。復元作業を手がけたのは、大津市の本堅田で造船業 を営む松井三四郎さんです。松井さんは大正2年のお生まれで、15才の時に堅田の 杢兵衛造船所に弟子入りしました。そこで木造船の作り方を学び、20才から25才 の時には棟梁にかわって丸子船を作るほどに技術を磨かれたのです。松井さんはその 後独立して造船業を営まれていましたが、強化プラスチック製の船が発達したことに よって、木造船を製作することはほとんどなくなりました。  現在活躍しておられる船大工の中で丸子船の造船技術を持つ人は松井さんただ1人 なのです。しかし、今回の復元作業を通じて松井さんの息子さんである三男さんらに この貴重な技術が受け継がれました。  しかし丸子船やその他の琵琶湖の木造船についてはまだまだ謎に満ちています。丸 子船探検隊は、みんなで協力しながら、そんな謎をひとつひとつ解きほぐしていきた いと考えています。


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MAKINO, Kumi 2003