ヌマムツ



科   名 コイ科
標準和名 ヌマムツ
学   名 Nipponocypris sieboldii

 カワムツに比べて細身で、特に顔が尖っている。体長 15 cm 程度。本種はどちらかと言えば平野部に分布することからこの名があるが、県内ではカワムツと混在する地域ではかなり上流まで混生している。主要な識別点は、胸鰭・腹鰭前縁が赤色であり、カワムツの黄色と比較しやすい。

撮 影者: 秋山廣光     2003年までカワムツと同一種として扱われていた。 しかし、色彩や形態の違いは明確であり、1960年頃から、ヌマムツをカワムツ A 型、カワムツをカワムツ B 型と呼んでいた。実は、江戸時代にシーボルトが 持ち帰った標本を元に2つの種名が与えられていたが、どういう訳かカワムツ一種の取り扱いを受け続けていた。ヌマムツの和名に対応する学名は、長く使われ ていなかったために「遺失名」として無効になってしまっていた。それが2003年に復活させられ、新しい標準和名としてヌマムツが使われることになった ※。
  カワムツとの識別点は他にもあり、鱗がやや細かい、背鰭前部の黄斑の形が異なる、産卵期の追星が鰓蓋上にも発現するなどである。また幼魚で も,特に標本では暗色縦帯 の形の違いなどにより識別できる。飼育環境下では濃い緑色になることがあるが、その意味は不明である。
※Hosoya, K., H. Ashiwa, M. Watanabe, K. Mizuguchi and T. Okazaki (2003) Zacco sieboldii, a species distinct from Zacco temminckii (Cyprinidae). Ichthyol. Res., 50: 1-8.

カワムツ(上)とヌマムツ(下)の幼魚 撮影者: 秋山廣光  

解説者: 秋山廣光



種名索引へ  
コイ科索引へ