収蔵資料データベース
水生昆虫液浸標本の整理保管および利用要領
2004年3月
桝永 一宏 (琵琶湖博物館)
内田 臣一 (愛知工業大学)
上原 千春(株式会社 新洲)
I 目的
ここでは,水生昆虫液浸標本を,琵琶湖博物館収蔵資料として利用しやすく整理し,長期間保管し,広く利用するための実務的な要領を定める.
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II 担当者
水生昆虫液浸標本の整理保管および利用は,担当学芸職員および資料整理業務委託職員,また必要に応じて日々雇用職員が行う.整理保管および利用は,この要領に基づいて行い,担当者の交代等によって支障がおこらないよう努める.
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III 分類
水生昆虫類の分類と学名・和名の表記は,原則として一般に認められている生物の分類体系に従う.基本的には,琵琶湖博物館資料データベース(以下データベースと略称)の入力用同定コード表の体系に従う.ただし,分類群によっては,担当学芸職員の判断により,当該分類群の専門家が支持する分類体系に従う.
●収蔵する主な分類群
蜉蝣(カゲロウ)目
蜻蛉(トンボ)目
せき翅(カワゲラ)目
半翅(カメムシ)目
脈翅(アミメカゲロウ)目
毛翅(トビケラ)目
鱗翅(チョウ)目
鞘翅(コウチュウ)目
膜翅(ハチ)目
双翅(ハエ)目
上記以外の分類群も,必要に応じて液浸標本として整理・収蔵する.
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IV 標本の固定
1. 固定液
採集された水生昆虫類は,80パーセントエタノール(以下アルコール液)で固定し保存する.ホルマリン液で固定された標本を受入した場合は,アルコール液に置換する. →脚注 i
採集・固定された後,以下の整理作業を行わないまま長期間保存される見込みの標本については,保存液を新しいものに交換しておく.
アルコール液,ホルマリン液の取り扱いの注意意 10リットル以上のアルコール原液を液浸収蔵庫や研究室に置いてはならない(18リットル入の缶ごと未開封のまま1缶以上置かない).アルコール原液がなくなったら,危険物貯蔵庫から補充する(決められたノートに記録する).ホルマリン廃液や多量の高濃度アルコール廃液は,しっかり蓋の閉まるびんなどに保管しておく.多量のホルマリンやアルコールを使用する時は,液浸収蔵庫内で行い,液浸収蔵庫から研究室までアルコール液や標本びんを運ぶ場合は,廊下などを濡らさないよう注意し,短時間であっても廊下などに放置してはならない.ポリエチレン製の広口洗浄びんに入れたアルコール液は,その日中に使い切るか,作り置きのアルコール液入れ(T型3L)に戻し,洗浄びんはよく洗っておく. |
2. 標本びん
日電理化硝子 のねじ口びん(スクリューバイアル)S-3 (10ml),SV-20 (20ml),SV-30 (30ml),SV-50 (50ml)を使用する.
S-3については,キャップがメラミン樹脂,パッキングがニトリルゴム(ハイカー)のものを使用する.
SV-20,SV-30,SV-50では,キャップがポリプロピレン樹脂,パッキングがソフトロンP・P張りのものを使用する.
標本びん使用上の注意
キャップ・パッキングの材質と特性については,日電理化硝子 1998・1999試験管・管びん総合カタログp.
61を参照.ニトリルゴムのパッキングは,キャップから浮かないように端をしっかりはめ込んでから使用する.わずかな隙間からアルコール液が蒸発するので注意する.なお,ニトリルゴム製パッキングは,アルコールには最も適するが,SV-20,SV-30,SV-50ではキャップの底からはみ出ることが多いので,これらびん本体とセット販売されているソフトロンP・P張りの方がアルコール液の蒸散が少ない.
また,日電理化硝子(株)のねじ口びんは,70年代と80年代に規格が変わっている.びん本体とキャップのねじのピッチが現行のものと合わないものは,ただちに処分する.同じ規格でキャップの合うものは,パッキングを交換して使用する.他社のびんで,一見キャップが合うように見える場合があるが,隙間ができるので絶対に使用しない.他社のびんで,キャップが押し込み式のタイプ,パッキングではない中栓のタイプ(マヨネーズびん内蓋など)や本体がプラスチック製等ガラス製以外のものは一切使用せず,すでにこのようなびんが使われている標本は,現行の標本びんに入れ替える. |
3. 標本瓶への小分け
採集された標本を分類群ごとに標本瓶に小分け(ソーティング)し,それぞれアルコール液を満たす.原則として,1瓶に1分類群とし,必要に応じて成長段階,雌雄の別ごとに瓶を分ける.小分けした標本瓶には,V項に定めた方法でただちに採集データラベル(図 3)を作成し添付する.
液量は,標本瓶各容量の9割程度(キャップをしたとき液面とキャップの線との間に少し隙間ができる程度)にする.→脚注 ii
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V 一次的情報(採集データ)の整理・管理
1. 採集データラベルの作成・添付・整理

フィールドノート
採集され,固定された液浸標本には,ただちに採集データを記したラベル(採集データラベル)を添付する(図 3).採集データとは,採集地
locality,採集方法method,採集年月日date,採集者collectorなど採集の時点で得られる一次的な情報を指し,同定結果,登録番号など後に付与される二次的な情報と区別される.
まず,採集者本人(あるいは標本を最初に預かった者が代わって)が,鉛筆,墨あるいは製図用インク,耐水インクで採集データを手書きした紙片(オリジナルラベル)を標本瓶の中に入れておく.→脚注 iii
これに書かれた内容がオリジナルデータとなるので大切に保存し,転記する場合には誤記しないよう注意する.
採集地名は,日本産,外国産いずれの場合も,複数の地図上で採集地点を特定してから,以下の作業を行う.標本整理用の地形図,道路地図には,採集地点に鉛筆で×印を付け,採集年月日を付記しておく.図書室の書籍等直接書き込めない場合は,コピーをとり,その上に必要な情報を書き込む.
また,標本のデータが記された研究論文のほか,採集者本人のフィールドノート,カードに書かれた採集メモも採集データの確認に有用である場合が多い.必要に応じて,採集者に問い合わせて確認するか,コピーや別刷などの送付を依頼する.特に模式標本の記載論文はコピーをとり,整理作業用に1部以上,収蔵庫の標本箱の上に1部を保管しておくことが望ましい.
採集地を確認するための主な地図・書籍(日本)
・国土地理院 2.5万分の1地形図:大字・小字名,河川名の確認,標高の確認,採集地の点記録.
- ・国土地理院 5万分の1,1万分の1地形図:2.5万分の1と併用する.
- ・環境庁 都道府県別メッシュマップ:国土地理院地形図と併用する.国土地理院地形図がない場合は,これのコピーで代用する.
- ・昭文社 ニューエスト都道府県別都市地図:大字の境界の確認.
- ・昭文社 県別マップル広域詳細道路地図:50音順索引に市町村,大字名の読みの確認.
- ・昭文社 山と高原地図:河川支流,沢,橋,山,登山道等の名前の確認,標高の確認.
- ・日本地図センター 全国20万分の1地図<西日本版・東日本版>:他の地図と併用する.
- ・人文社 日本文献地図地名総覧:行政地名の読み,区画の確認.
- ・角川書店 角川日本地名大辞典:行政地名の読み,小字名の確認.
- ・三省堂 コンサイス日本山名辞典
- ・平凡社 日本歴史地名大系:行政地名の読み,行政区画の変遷等の確認.
- 上記の他,各地方自治体,民間団体等が発行する観光パンフレット,リーフレットなどの各種印刷物を参照する.
- 日本地名検索のためのホームページ例(2002年1月15日現在)
- ・Japan Postal Code Search http://yuujirou.inac.co.jp/index.html
- ・インフォシーク地図 http://map.infoseek.co.jp/top.asp?sv=RC
- ・Yahoo!地図情報 http://map.yahoo.co.jp/
- ・地形図閲覧システム検索インデックス http://mapbrowse.gsi.go.jp/mapsearch.html
- ・JH日本道路公団 http://www.jhnet.go.jp/
- ・国土地理院 http://www.gsi.go.jp/
- ・国土交通省近畿地方整備局 http://www.kkr.mlit.go.jp/index.html
- ・湖国しがの観光 http://www.pref.shiga.jp/kanko/sight/index/top.html
- ・しましまネットhttp://www.nijinet.or.jp/simanavi/navi_top.htm
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1-1. 採集データの記録
採集データを,表 1に示した4つの採集データファイルに,採集地域ごとに入力し,上書き保存する(図 1).常時,フロッピーディスク,MO,CD-RWなどにコピーし,バックアップをとっておく.採集データは,採集地,採集方法,採集年月日および採集者の別ごとに1件とする(図 1).
表 1 . 採集データファイルのプロパティ
| ファイル名 |
ファイルの種類 |
タイトル |
サブタイトル |
内容 |
| 採集液浸(1).xls |
Microsoft Excel
97-2002 |
採集液浸(1) |
日本 |
琵琶湖・瀬田川水系,多摩川水系および琉球・屋久島・小笠原をのぞく日本の各県. |
| 採集液浸(2).xls |
採集液浸(2) |
琵琶湖・瀬田川水系 |
滋賀県全域および京都府の一部(久多,大見,尾越,志津川,東笠取,宇治橋,宇治田原町など琵琶湖・瀬田川水系に含まれる地域). |
| 採集液浸(3).xls |
採集液浸(3) |
多摩川水系 |
山梨県・東京都のうち多摩川水系に含まれる地域.
文献:内田臣一(1987)多摩川水系におけるカワゲラの分布.とうきゅう環境浄化財団(東京),P.
23-78. |
| 採集液浸(4).xls |
採集液浸(4) |
海外・琉球・屋久島・小笠原 |
外国および琉球・屋久島・小笠原など水生昆虫の地理的分布上海外と見なされる地域. |
(↓右へスクロール)

図 1. 採集データファイルの記入例
A列: 日本語表記の採集地と採集方法
B列: 欧文表記(英語およびヘボン式ローマ字)の採集地と採集方法
C列: 採集年月日
D列: 採集者
E列: 国土地理院2万5千分の1地形図名
F列: メッシュコード(環境庁 都道府県別メッシュマップ)
G列: 旧採集地コード
H列: 備考(採集時の諸状況や採集地についての情報など)
I列: 入手先
J列: 管理備考(入手情報の補足,文献など)
K列: 入力メモ
表記の方法は以下に定める採集データラベルと同じ.
1-2. 採集データラベルの複製
同じ採集データの標本には,エクセルファイル「採集データラベル.xls」(図 2)を基本書式として作成した採集データラベル(図 3)を添付する(標本瓶に入れる).
上から採集地と採集方法,次の行に採集年月日,次の行に採集者名を書く.これをA4またはA5一枚に多数並べたものを印刷し,切り取って使用する.「ファイル,ページ設定」でフッタにラベルの作成年月日(「&日付 作成」)が入るようにしておく(図 2).
図 2. データラベル書式.xlsの印刷プレビュー画面
(1) 日本語表記の場合
日本産の標本の採集データラベルはすべて日本語表記とする(図 3).
滋賀県大津市葛川梅ノ木 針畑川 270m 灯火 1999年 3月25日 内田臣一
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図 3. 採集データラベル
・ラベルの横幅(長い方の長さ):4cm以内 (ねじ口瓶S-3に合わせる)
- ・列幅:20.00-22.00,高さ:12.00
- ・フォント:MS-P明朝
- ・文字サイズ:10または9ポイント(文字数が多い場合は9ポイントにする)
- ・半角カタカナは使用しない.英数字は半角とする
採集データは,採集された場所の島名(島の場合のみ),行政地名(都道府県,市町村,大字,小字),自然地名(山,川,沢,湖岸など),人工の建造物(橋など)の名称,水平距離(km),標高(m)または水深(m),微生息場所(瀬,淵など),採集方法,採集年月日,採集者名の順に記載する(図 3).ラベルのサイズに合わせて地名の区切りで改行する.行政地名と自然地名の間,標高または水深の前,微生息場所の前にはそれぞれ半角スペースを入れる.採集年月日と採集者名は,それぞれ行をかえて記入する.
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採集データラベル 日本語表記の例
【行政地名・自然地名】
島:都道県名の前に半角スペースを空けて入れる.(隠岐島後 島根県)
郡:特に必要な場合を除き,郡名は省略する.
大字・小字:大字・小字名につく「町」は,原則として省く.(草津市下物町→草津市下物).
採集地が複数の行政区画にまたがるとき:行政地名を並記し,間を全角中黒(・)で区切る.(長野県大町市・富山県大山町・岐阜県上宝村....).
【人工建造物】
橋:河川名の後に続ける.(野洲川新庄大橋 85m)
【距離,高低】
水平距離の単位:キロメートル(km)で表す.(例.大浦川河口から0.5km上流 85m).
標高と水深の単位:メートル(m)で表し,標高の場合は 〜m(‘標高’は省略),水深の場合は水深 〜mと書いて区別する.(滋賀県西浅井町大浦 琵琶湖岸 水深5m).
なお,採集地の標高差が30m以上あれば,その範囲を明確に記す.その際,間を半角ハイフンでつなぐ.(750-780m)
平地では10m以上の標高差があればその範囲を記す必要があるが,採集者本人のメモや地図を見て判断する.
【採集方法】
採集方法は,採集地名の最後に半角スペースを空けて,以下のように略記する.
灯火採集:「灯火」
スウィーピング採集:「スウィーピング」
ランダム採集:「ランダム採集」
エクマンバージ採泥器による採集:「エクマン採泥器」
幼虫で採集,羽化した成虫の羽化日:「幼虫採集, 6月8-10日羽化」
【採集年月日】
半角数字と漢字で記す.年は西暦を用いる.月・日が一桁の場合はその前には半角スペースを入れる.(1999年 4月13日).
【採集者名】
日本人名の場合はフルネームを漢字で記す.姓と名の間は詰める.採集者が複数で3人以下の場合は,全角中黒(・)でつなげる(内田臣一・清水高男).4人以上の場合は代表者1名とし,「〜ほか」と記す.
【その他】
採集時間:状況に応じて,採集年月日の後に書き添える.
採集データの詳細が不明なために推測による内容を記入する場合は,それを( )でくくり,オリジナルデータラベルに書かれた内容と区別する.
採集地,採集年月日,採集者が不明な場合は,「採集地不明」「採集年月日不明」「採集者不明」と書く.
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(2) 欧文表記の場合
外国産の標本は,欧文表記とし,原則として英語を使用する(図 4).ただし,韓国,台湾など漢字で表せる場合は,日本語を使用する.日本産の標本についても,「採集液浸(1).xls」「採集液浸(2).xls」「採集液浸(3).xls」のB列(図 1)に,採集地名をヘボン式ローマ字表記で入力しておく.外国の研究者・研究機関への貸出時など,必要に応じてローマ字表記のデータラベルを作成し添付することがある.韓国,台湾産の標本についても,分かればローマ字の読みをB列に入力する.
外国産の場合,行頭に国名を大文字で書く.国名には一般に用いられる通称を使用する.国名+ピリオドの後に,小さい地名から大きい地名の順に記入する.カンマ,ピリオド,コロン,セミコロンの後は,採集年月日の部分を除き半角スペースを入れる(図 4).
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参考 他国語の文字入力
●キーボード設定を変える方法
他国語の文字を入力をするときは,キーボードの設定で言語を追加し,切り替える.標準は,ATOK11.(設定→コントロールパネル→キーボード→言語→追加→必要な言語を追加する→再起動.追加した言語の文字を入力するには,タスクバーのJPから目的の言語に切り替えるか,Alt+SHIFTキーで切り替える).
ドイツ語(オーストリア)に切り替えると, üは @,öはセミコロン, äはコロンのキーで入力できる.
スロベニア語(ユーゴスラビア)に切り替えると, šは@,čはセミコロン,ćはコロン,žは ] のキーで入力できる.
●Charmapを使う方法
C\Windows\Charmapを起動し,目的の文字をコピーして入力する.
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ARGENTINA. eastern side of Infiernillo, alt. ca. 2800m, near Tafi del Valle, Prov. Tucuman 21.viii.1998 S. Uchida
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図 4. 欧文表記の採集データラベル
- ・ラベルの横幅(長い方の長さ):4cm以内
- ・列幅:20.00-22.00,高さ:12.00
- ・フォント:Times New Roman
- ・文字サイズ:8〜10ポイント
欧文・ローマ字表記の例
固有名詞の自然地名の頭文字は大文字とする.連語も,それぞれの単語の頭文字は大文字にする(例: Lake Biwa).自然地名であっても固有名詞でなければ小文字で綴る(例:
pond).日本語読みの –gawa,-kawa,-sawaは付ける.san,zan,yama,dake,takeは原則として付けないが,元の語が意味をなさなくなる場合は付ける(例:
Mt. Hakusan). 日本の行政地名や自然地名をローマ字表記にする場合は,1語が長い場合は適当なところでハイフン - で区切る.(例: 南安曇村Minami-Azumi-mura,
葛川梅ノ木Katsuragawa-Umenokiなど; 「あずみ」「うめのき」はそれぞれ頭を大文字A, Uにする.市・町・村・はハイフンを入れてそれぞれ-shi,
-cho [machi], -mura [son]とする.)
一般名詞,形容詞,副詞などは,固有名詞でなければ行頭でも小文字にする.
【自然地名】
〜川: 〜 R. = River (多摩川: Tama-gawa R.)
水系: river system (多摩川水系: Tama-gawa R. System)
〜沢: 〜 Cr. = Creek (三頭沢: Mito-sawa Cr.)
〜湖: Lake 〜 (琵琶湖: Lake Biwa, 知床五湖: Lakes Shiretoko-goko, 津軽十二湖: Lakes Tsugaru-jyuni-ko)
〜山: Mt. 〜 (富士山: Mt. Fuji, ご岳: Mt. Mitake, ご嶽山: Mt. Ontake, 比良山: Mt. Hira, 白山: Mt. Hakusan)
〜連峰, 山系: Mts. 〜 (立山連峰: Mts. Tateyama)
〜諸島: Is. = Islands [Isles] (琉球諸島: Ryukyu Is.)
〜島: I. = Island [Isle] (西表島: Iriomote I. 母島: Hahajima I.)
【水域に関する表現】
流れ, 小流: streamまたはsmall stream
細流: brookまたはsmall stream
支流: tributary of
源流: headwaters (複数形)
<川,沢>の水源, 源頭: head of 〜 R.
湧水: springs (複数形)
湧水流: stream of springs
上流に [で]: upstream
中流に [で]: midstream
下流に [で]: downstream
渓流: mountain stream
〜川・--川出合 [合流点]: confluence of 〜 R. and -- R.
〜川の河口: mouth of 〜 R.
瀬: riffles (複数形)
淵: pools (複数形)
<湖・川の>岸: shore (琵琶湖岸: Lake Biwa shore)
<川の>右岸: right bank of
<川の>左岸: left bank of
<湖・岸の>沖: offshore (海津沖: offshore of Kaizu)
滝: waterfall, 〜滝: 〜 Falls (複数形)(鶏鳴の滝: Keimei-no-taki Falls)
水田: race paddy
ヨシ原: reed field
湿原, 湿地: moor; 低湿地, 沼地: marsh
鍾乳洞: limestone cave (入水鍾乳洞: Irimizu Limestone Cave)→limestoneは石灰石 [岩].
【距離,高低,方角を表す語】
標高と水深の単位: メートル(m)で表す
標高: alt. = altitude (標高約1200m: alt. ca. 1200m)
水深: depth (水深20m: depth 20m)
水平距離の単位: キロメートル(km)で表す
<水平距離で> 〜から13km: 13km from 〜
東: E; 西: W; 北: N; 南: S (〜の北東13km: 13km NE of 〜)
【人工の建造物,交通機関など】
〜橋: 〜 Br. = Bridge (宇治橋: Uji Br., 東秋川橋: Higashi-Akikawa Br., 多摩大橋: Tama-ohashi
Br., 鉄橋: railroad bridge, つり橋: suspension bridge→固有名詞ではないので略さない.)
〜駅: 〜 Sta. = Station (太市駅: Oichi Sta.)
<鉄道の>〜線: 〜 Line (JR湖西線: JR-Kosei Line, 西武鉄道池袋線 Seibu-Ikebukuro Railway Line)
〜と--の間 = between 〜 and -- (拝島橋・八高線鉄橋の間: between Haijima Br. and Hakko Line railroad bridge)
国道161号線: Route 161
道路: road (白山スーパー林道: Hakusan-Super Road, 鈴鹿スカイライン: Suzuka-Skyline Road)
高速道路: expressway (名神高速道路: Meishin Expressway)
スキー場: skiing ground (朽木スキー場: Kutsuki Skiing Ground)
キャンプ場: camping graund
ダム, 堰堤: dam (野洲川ダム: Yasu-gawa Dam)
砂防堰堤: a landslide prevention bariier [wall],
水路: watercourse (<琵琶湖博物館屋外展示の>生態観察水路: experimental watercourse)
小屋: hut (会所小屋: Kaisho-goya Hut)
〜合目: station (一合目: 1st station)
跡,遺跡: remains(複数形)(紫香楽宮跡: Shigaraki-no-miya Remains)
欄干: parapet
養魚場: fish farm
【機関,施設】
特に博物館など研究機関や各種団体の名称などは大文字で綴る.以下の機関については略称を用いる.
琵琶湖博物館: LBM = LAKE BIWA MUSEUM
琵琶湖文化館: LBCM = LAKE BIWA CALTUAL MUSEUM
【複数の行政区画にまたがる場合】
半角スペース+半角スラッシュ+半角スペースでつなぐ.(青梅市・五日市町: Oume-shi / Itsukaichi-shi)
【採集方法】
灯火: at light(s), 元のデータによってはlight trap(s)
パントラップ: pan trap(s)
スウィーピング: sweeping
定性: qualitative sampling
定量: quantitative sampling
コドラート(方形枠): square frame
ドレッジ: dredging
ランダム採集: random sampling
5月14-15日羽化: emerged 14-15. v.
【採集年月日】
月を半角ローマ数字の小文字で表す.日と月の後はピリオドで半角スペースを空けず詰める.(26.v.1999)
【採集者】
ファーストネームのイニシャル+ラストネームとする.ファーストネームのイニシャル後のピリオドの後に半角スペースをとる.
leg.やcoll..などは省く.
単独のとき: S. Uchida
2人のとき: S. Uchida and M. Uenishi
3人のとき: S. Uchida, M. Uenishi and K. Iwamoto
4人以上のとき: S. Uchida et al.
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1-3. 採集データラベルの印刷
プリンターにはHP Laser Jet 4050N(ヒューレット・パッカード社),用紙にはA4版の耐水紙(シオザワ ニューSベランN)を使用する.使用するラベルの数が少ない場合は,A5サイズにカットし,ページ設定をA5縦にして使用する.
1-4. 採集データラベルの再添付
分類群ごとに小分けされたすべての標本瓶に,上記の方法で印刷した採集データラベルを適当な大きさに切り取り,瓶の外から見えるように瓶内に入れる.ラベルの左端が瓶の底側になるように入れる.
1-5. 採集データラベルの保管
印刷したデータラベルの残りは,ファイル(コクヨ ロックリングファイル フTL-444B)に採集年月日順にファイルする.同リフィル(ラ-A31)1ポケットの表裏を白紙でしきり,1面に1件のデータのみを入れる.採集者本人が書いたオリジナルラベルの紙片は,乾燥させ,印刷した採集データラベルの余白にメンディングテープで剥がれないように添付し保存する.採集地点に印をつけた地図のコピー,採集地に関するメモや問い合わせの内容など,採集データに関する情報が書かれたものはこの同一ポケットに保存する.
1-6. 採集データラベルの再チェック
すでに液浸収蔵庫に整理・収納されている標本のうち,データラベルに明らかな誤りがあるもの,データ不十分なものについては,上記の通りデータラベルを作成し添付し直す.また,行政地名・自然地名・標高等・採集方法の順序が上記の通りでないものは,作成し直さなければならないが,該当個所に半角スペースが空いていないような場合は,ラベルの管理を煩雑にしないためそのままにしてよい.
修正個所は,印刷したラベルの余白などに明記し,ロックリングファイルに保存する.
なお,既に分類群ごとに分けてしまった標本のオリジナルデータラベルは,取り出さず,そのまま瓶内に残すこと.
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VI 二次的情報(同定結果)の整理・管理
1. 標本の同定と同定ラベルの添付
水生昆虫標本を同定し,同定ラベル(図
5)を入れる.エクセルファイル「同定ラベル.xls」を基本書式として,同定者(ローマ字),同定年を印刷したものを使用し,分類群の学名を鉛筆で書く(図
5).同定済みの標本など多数同じラベルが必要な場合は,学名も印刷したものを使用する.未記載種など特に必要な場合を除いて,分類群名にsp. やspp.を付けない.
成長段階(卵,幼虫,蛹,成虫など)の別,個体数を鉛筆で書く.
Nemoura
5幼虫
det. S. Uchida, 1999
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図 5. 同定ラベルの記入例
種不明のNemoura オナシカワゲラ属の幼虫が5個体の場合.
・列幅:15.50
・高さ:37.50 (学名を手書きするとき) または22.50+15.00 (学名を印刷するとき)
・同定者・年のフォント:Arial,学名のフォント:Times New Roman
・文字サイズ:8ポイント
委託職員やアルバイト職員による同定結果は,採集データごとに,「同定作業用紙.doc」を印刷した紙(図 6)にまとめて記入し,右上に複製した採集データラベル(図 3または図 4)を貼る.採集年月日順に保管しておく.
せき翅目標本については,必要に応じて,ねじ口瓶のキャップ上面に,成長段階,雌雄の別ごとに決められた色の油性ペン(幼虫と殻:緑色; 雄:青色; 雌:赤色; 卵:黄色)で印をつける.
図 6. 同定作業用紙
2. 模式標本
模式標本には,その標本瓶の見えやすい面(通常ふたの上面.上面に別の目印などがあれば側面)に,次のようにその種類によって赤,あるいは桃色の目印を付ける.目印には,ニチバン ビニールテープ VT-19をカットして貼りつけるか,油性マーカーを使用する.
赤色: 完模式標本holotype,後模式標本lectotype,新模式標本neotype
桃色: 副模式標本paratype,副後模式標本paralectotype,総模式標本syntype

完模式標本
模式標本の記載論文は,著者本人に問い合わせるなどしてできるかぎり取り寄せ(2部あることが望ましい),別刷あるいはコピーの1部を液浸収蔵庫の標本保管庫内で標本と一緒に保管する.もう1部は研究室内に保管する.ページトップへ
VII 管理ラベルの作成・添付
各標本瓶に登録番号を記した管理ラベル(図
7)を入れ,標本瓶の外側に同じラベルをスリーエム(株)クリアーテープCP-18でしっかり貼り付ける.管理ラベルは,データベースへの登録が済み,登録番号が決定してから作成・添付する.管理ラベルはエクセルファイル「管理ラベル.xls」を用いて図
7のように作成する.
琵琶湖博物館標本
Lake Biwa Museum
No.1410001792
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図 7. 管理ラベルの記入例
・ラベルの横幅:28 mm,縦幅:11 mm
・列幅:14.50,高さ:21.75+11.25
・日本語フォント:MS-Pゴシック,欧文フォント:Arial
・文字サイズ:8ポイント
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添付した管理ラベル
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データベースへの登録が済み,管理ラベルが付いた標本を入れたタイトボックスの上面右下に,登録番号確認表(図 8)を貼り,登録番号を記しておく.登録番号確認票はエクセルファイル「標本箱のラベル.xls」を用いて作成する.
図 8. 登録番号確認票の記入例
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VIII 標本の配架・収蔵
1. 収蔵場所
同定された水生昆虫標本を,液浸収蔵庫1の標本保管庫で,分類体系に従って定められた位置に収納する. 液浸収蔵庫に収蔵された標本は,担当学芸職員の許可無く移動させてはならない.
2. 標本保管庫
水生昆虫液浸標本保管庫には,キング工業(株)製KE-10を使用する.

水生昆虫標本保管庫
3. 標本の収納
標本の収納には,(株)井内盛栄堂 タイトボックス No. 4を(株)サンプラテック 安全仕切 45-20型で縦5列,横4列の計20画に区切ったもの(図 9)を標本箱として使用する.標本箱内では縦方向右角を起点とし,下方向へ列を作り並べる(図 9).
1標本箱に1分類群(原則として1種)とし,採集地域の別(琵琶湖・瀬田川水系産,日本産,外国産)ごとに箱を分ける.
蓋と本体外左側面には,採集地域ごとに定めた色のビニールテープ(ニチバン ビニールテープ VT-19)を必要な長さに切り,黒の油性ペンで採集地域名,分類群名(学名+和名),成長段階の別を明記したものを貼り付ける(図 10).
図 9. 標本箱内の標本の収納法
赤色の数字は標本瓶の並べ方を示す.
Perlidae Biwako-Setagawa System
カワゲラ科 琵琶湖・瀬田川水系
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Perlinae
カワゲラ亜科
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Neoperla Nymphs フタツメカワゲラ属 幼虫 (2)
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図 10. タイトボックス蓋および左側面の表記方法
琵琶湖・瀬田川水系 Biwako-Setagawa System: 白色
日本Japan, 多摩川水系 Tama-gawa River System: 黄色
海外(琉球,屋久島,小笠原諸島もこれに含める): 桃色
分類群の異なる標本を同一の標本箱に入れる場合は列を変えて入れる.その場合,列ごとにタイトボックス内前方に同色のビニールテープを張って,分類群名(学名・和名)を明記する.
標本が多数ある場合は,(1) 分類群の別,(2) 成長段階の別(カワゲラ目幼虫などでは種まで同定できない場合が多い),(3)
日本産・外国産の中ではさらに細かい採集地域の別(特に「多摩川水系」「神奈川県」あるいは「南関東」,その他北から「北海道」「東北」など),の優先順位でタイトボックスを分け,それが何箱目であるかをビニールテープに併記する(図 10).
上の分類作業の済んだ標本は,順次分類群ごとに標本保管庫内に収蔵していく.
未整理の標本あるいは専門家による同定が必要な標本を一時的に置く場合は,それらをまとめて入れたタイトボックスの蓋と本体外の左側面に,通路側から見えるようにその内容を明記する.収蔵庫,研究室いずれの場所に仮置きする場合も,第3者が判断できるようにしておく(例:
「トビケラ目 未分別,専門家による同定待ち」).
4. 参照標本reference collectionの整備
標本の整理作業のために,収蔵標本とは別に,参照標本を一セット用意し,作業する部屋に保管する.
参照標本は,調べたい標本と見比べるため,随時取り出せるように分類群ごとに標本箱に整理しておく.参照用標本を取り出した元の収蔵標本との対応がつくように,収蔵標本には,「他に参照標本〜個体あり」,参照標本には,「参照用標本 この他に〜個体あり」と書いた紙片を入れておく.
参照標本の整備は,標本の整理作業と並行して順次進める.ページトップへ
IX 標本の保管・維持管理
1. アルコール液の点検補充
収蔵庫に納められた液浸標本には,間隔を定めて定期的に(原則として年1回),アルコール液の点検補充を行う.ねじ口瓶のパッキングが劣化していれば新しいものと取り替える(IV参照).タイトボックス蓋面の右下,そのほかの一時保管用の箱は,通路側から見える側面)に,「液浸標本アルコール補充確認表」を貼り,点検補充者が氏名,点検年月を記入する(図
11).「液浸標本アルコール補充確認表」は,エクセルファイル「標本箱のラベル.xls」を用いて作成する.
アルコール液が蒸発し,標本が完全に乾燥している場合の処置は,担当学芸職員の指示に従うが,ふつう,乾燥した標本を数分間ぬるま湯に浸した後,アルコール液で再固定する. →脚注 iv
図 11. 液浸標本アルコール補充確認票の記入例
2. 安全対策
液浸収蔵庫で作業後,標本保管庫には必ず鍵をかけ,地震等で扉が開かないようにする.鍵は所定の位置に保管する.
タイトボックスを積み重ねて仮置きする場合は,あまり高く積み上げない.また,タイトボックスの4ヶ所のストッパーを必ず締める.ページトップへ
X 利用
1. 再同定
必要な場合には,各分類群の専門家によって標本の再同定を行う.再同定の結果は別の同定ラベルに書き,標本瓶に入れる.この場合,もとの同定が誤りであっても,もとの同定ラベルは破棄しない.
2. データベース利用
整理が終わった標本のデータは,データベースに登録する.データベースでは,琵琶湖博物館に収蔵するすべての昆虫液浸標本のデータを一括して管理するとともに,インターネット上に一般公開し,利用を促進する.一般利用者を対象とするが,学術研究利用にも応えられるよう必要最低限の情報を保存・管理する. データベースの閲覧・編集作業はWEBブラウザ上で行う.編集方法などについては,琵琶湖博物館で定められたデータベース利用要領に従う.
3. 目録
重要な標本,とくに模式標本については,保管している標本の目録を公表する.目録は出版物およびCD-ROMなど電子化された媒体で公表するほか,情報システムにその最新版を置き,利用できるようにする.
4. 貸出
貸出期間は6ヶ月以内とする.ただし,申し出に応じて6ヶ月以内の単位で延長できる.模式標本の貸出は原則として1回の申し込みについて1種に限る.学生,大学院生からの申し込みについては,指導教官からの預かり書の添付をもとめる.
脚注
i. ホルマリンからアルコールへの置換法:標本のサイズが大きい,あるいは1びんに多数の標本が入っている場合は,まず水の中に移し,虫体内のホルマリンをある程度流出させてから,アルコール液に移しかえる.
ii. 温度変化によるアルコール液の膨張でびんが破裂するのを防ぐため.
iii. ラベルは,移動に伴う摩擦や液漏れなどによって消えないよう,また粘着テープの乾燥劣化などによってはがれ落ちないよう,必ず標本びんの中に入れる.
iv. ほかに,乾燥した標本を30パーセント酢酸に2〜3日間浸して軟化し,その後80パーセントアルコールで再固定する方法がある.
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