琵琶湖博物館 『参加型調査 タンポポ調査報告』

タンポポの種類と見分け方

タンポポには、大きく分けて「在来種」と「帰化種」の2種類があります。この2つを見分けることで、いろいろなことがわかります。

在来種と帰化種の性質の違い

帰化種がその分布域を広げやすいということの理由のひとつは、その種子と花の性質によります。帰化種の種子は、在来種と較べると、小さくて数が多いことがわかっています。つまり軽くて遠くまで飛んで行きやすいわけです。また在来種の種子は、その年の秋に発芽し、花が咲くまでには数年かかるのにたいして、帰化種では、できた種子はすぐに発芽でき、また株ができるとすぐに、季節にかかわらず花を咲かせます。最近は年中タンポポが咲いているという声を聞きますが、在来種が咲くのは春だけで、夏や冬にでも咲いているのは、帰化種です。すぐに、いつでも花を咲かせて、種子を作るというのも、広がりやすい性質です。

また帰化種には花粉をもらわなくても種子を作ることができるというかわった性質があり、そのうえ、やや乾燥した土地や、町中のアルカリ性の土地でも元気に育ちます。帰化種は、このような幾つかの性質のおかげで、在来種が生育しにくい場所でも、どんどん広がっていくことができるのです。

タンポポの花のみわけかた

滋賀県に生えているタンポポの仲間

今回のタンポポ調査を呼びかけた文書の中で、滋賀県では6種類のタンポポがあり、在来種が4種類(カンサイタンポポ、セイタカタンポポ、ケンサキタンポポ、シロバナタンポポ)、帰化種が2種類(セイヨウタンポポ、アカミタンポポ)と書きました。これについては、調査の期間中にも、いくつかの意見をいただきました。実はタンポポの分類はえらくややこしくて、この調査の担当者も自信がなかったために、「滋賀県植物誌」という本に載っている種類だけにとどめておいた、というのが、真相です。

滋賀県の植物に詳しい方々の意見をお聞きし、滋賀県の在来タンポポは、先にあげた4種類と、はっきりしたものに、ヒロハタンポポ(別名トウカイタンポポ)と、セイタカタンポポの変種とされているナガオカタンポポとイブキタンポポがあるということになるようです。

在来種と帰化種の区別は、上の図にもあるように、総苞外片が反転するかしないかで見分けることができます。シロバナは花の色で分け、残りの黄色い種類は次のように分けています。

花の大きさが2〜3cm カンサイ
花の大きさが4〜5cmで総苞外片の長さは、内片の長さの半分より長い ヒロハ
総苞外片の長さは、内片の長さの半分より短い
総苞外片の先端の突起ははっきり大きい ケンサキ
総苞外片の先端の突起はほとんどない セイタカ

ヒロハタンポポは、もともと東海地方に分布の中心があるタンポポで、岐阜県から滋賀県にも分布をしているようです。セイタカタンポポは湖北を中心にして分布しており、なかでもイブキタンポポは伊吹山の五合目以上だけに分布しています。