交流・サービス活動

『参加型調査』についての考え方

琵琶湖博物館を作り上げていくうえでの基本の考えは、展示を見てそれで終わるのではなく、滋賀県全体を博物館と考え、その地域に住む人が、自分の足元の自然や身のまわりのくらしに改めて目を向けるきっかけとなるような場とすることでした。
またそのような博物館の展示や日常活動を繰り広げるためには、地域からの情報がいつも琵琶湖博物館に入ってくるような、そして地域の情報を交流し、また博物館からの情報を発信して、人のネットワークを作って行くような日常活動が必要だろうと考え、そのような日常活動を進めるために「参加型博物館」というスタイルを考えました。
このような基本的な考え方にそって、研究活動においても参加型を実現しようとしています。
つまり、研究というと専門家だけが行うものという考えがありますが、地域や現場のことはそこに住んでいる人が一番詳しい情報を持っているわけですから、地域からの情報を寄せてもらい、その整理をすることで、個人の研究者が行う研究とはまた違った観点で、大量の広い地域のデータを解析するという新しい研究が成立するだろうという考えです。

「参加型調査」のモットー

  • 1. 専門家ではなく、素人だから見えるテーマを発掘しよう
  • 2. 途中でのやりとりを楽しもう
  • 3. 成果をほったらかさずに、まとめて発表しよう
  • 4. ひとりひとりの発想とアイディアをいかし、成果は個人名で発表しよう
  • 5. 発表の方法もいろいろさがそう……インターネット、展示、出版の相互乗り入れを

これまでの研究調査活動

[1] グループとの共同による研究調査

県内には、ある特定のことがらを詳しく調べてみようとする人たちのグループがいくつもあります。
その中には、琵琶湖博物館の学芸職員がメンバーとして参加するなどの形で博物館と協力しながら進めているものがあります。
ここでは、それらのグループのうち、インターネットで情報発信を行っているグループを紹介します。

水と文化研究会 調査名:「ホタルダス」
滋賀県下では、1989(平成1)年からホタルダスとなづけた住民参加によるホタル調査をしています。
これまで、3000人近くの人びとが身のまわりの水辺をしらべ、パソコン通信、ファックス、手紙、電話などで情報を交換しあってきました。
この調査の結果、いまではホタルの数が減ったうえに、わたしたちの生活様式もかわり、ホタルをみかける機会が減っていることがわかりました。
調査名:「水環境カルテ」
地域の水利用の調査結果は、データとして整理されています。
また場所ごとに、調査者の名前、説明してくださったかたの名前、水利用の写真、地図、説明の内容などを一枚のパソコン画面上に表現して、地図をみながら滋賀県各地の水利用について考えることができます。

※調査の結果をインターネットでみることが出来ます。「水環境カルテ」
 琵琶湖地域環境教育研究会 調査名:「ビワコダス」
ビワコダス調査は、滋賀県琵琶湖研究所のプロジェクト研究の一環として 1991年12月からの風の観測でスタートし、その後、滋賀県立琵琶湖博物館の展示製作のための調査、滋賀県立琵琶湖博物館の共同研究のひとつとしてうけつがれてきたもので、琵琶湖地域環境教育研究会が中心となって実施してきました。

※調査の結果をインターネットでみることが出来ます。 「ビワコダス風観測データ」

[2] 自由参加型研究調査

博物館開設準備室時代の1993年度から、博物館が企画した「広い範囲からデータを集めて比較する」ようなテーマの調査を行ってきました。調査を行うときには、図書館などの公共施設や学校でチラシを配布し、インターネットや県の広報紙などでもお知らせし、ハガキで申し込んでいただいた方に調査用紙や道具などをお送りしました。

準備室時代に行った調査テーマ:身近な環境調査
1993(平成5)年度 タンポポ/ アオマツムシ
1994(平成6)年度 カタツムリ
1995(平成7)年度 ヒガンバナ/水辺の遊び
1996(平成8)年度 春を探してみませんか

自由参加型研究調査のその後

自由参加型研究調査は開館後も継続する予定で、1998(平成10)年度には、第2回タンポポ調査を計画しました。しかし、その前年に始まったフィールドレポーターのアンケート型調査のテーマにふさわしいということで、 フィールドレポーター調査として実施することになり、これを期に、自由参加型研究調査は発展的に解消した形になっています。

フィールドレポーターについては、 こちらをご覧ください。